オリンパス前社長に薬物譲り渡した疑いで男を逮捕 前社長は任意捜査
医療機器大手オリンパスの前社長兼CEO(最高経営責任者)に薬物を譲り渡したとして、警視庁は、自称カメラマンの金子高明容疑者(44)=東京都葛飾区=を麻薬特例法違反の疑いで逮捕し、8日発表した。黙秘しているという。警視庁は前社長についても慎重に捜査を続ける方針。 【写真】警視庁本部=東京都千代田区霞が関2丁目 同社は10月、シュテファン・カウフマン社長兼CEOが違法薬物を購入していた可能性があるとして辞任を発表していた。 薬物銃器対策課によると、金子容疑者は2022年9月~今年2月ごろに複数回、東京都内でコカインやMDMAとみられる薬物をカウフマン前社長に譲り渡した疑いがある。 金子容疑者は1回あたり、コカインは0.1~0.2グラム、MDMAは1錠を渡していたという。 警視庁は4月、2人の薬物疑惑に関する匿名の通報を受け、捜査を開始。金子容疑者は6月、自宅の家宅捜索で覚醒剤が押収されたことから、覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕され、執行猶予つきの有罪判決を受けた。9月には、同社にカウフマン氏の薬物疑惑に関する手紙を送っており、同社から警視庁に相談があったという。 警視庁は6月にカウフマン氏の自宅も家宅捜索したが、薬物は見つからなかったという。今後は同法違反での立件を視野に、任意で捜査を続ける方針。金子容疑者がカウフマン氏を脅迫していた可能性もあるとみて調べている。(福冨旅史、三井新)
朝日新聞社