「保険会社の甘い囁きで解約すると480万円の損」荻原博子が教える絶対解約してはいけない"超お宝保険"の種類
年末調整用で保険料控除を受ける人は多い。この機会に考えたいのが保険の見直しだ。経済ジャーナリストの荻原博子さんは「保険はスリムにする必要があるが、絶対解約してはいけないお宝的保険がある」という――。 【図表】生命保険の予定利率推移 ■保険はスリムに、でも絶対解約してはいけない保険 企業で働く人の年末調整では、加入している保険によって「保険料控除」を受けることができます。申請できる保険料控除は、「生命保険料控除」「社会保険料控除」「地震保険料控除」と、会社員にはあまり関係ない保険ですが、「小規模企業救済等掛金控除」の4つがあります。「損害保険」や「火災保険」は、控除の対象にはなりません。 年末調整の季節は、自分がどんな保険に加入しているのか実感できる時季でもあります。加入している「保険」の種類をざっと見渡してみましょう。 さて、「保険」といえば、多くの人が「もしもに備えて」さまざまな保険に加入していることでしょう。けれど、「保険」は“不幸クジ”のようなもの。どんなにたくさん加入しても、不幸な目に遭わなければ払った保険料はほかの人に回されて終わりです。ですから「保険」は、最低限必要なものだけ加入して、月々の掛金の負担を減らすことが必要です。あれもこれもと、過度に契約している人は、一度見直しをして「スリム」化したほうがいいでしょう。 ただし、「スリム」にするといっても、解約してはいけない保険もあります。それは、まさに「お宝」とも言える保険なのです。
■バブルの頃に入った保険なら「お宝保険」かも 「お宝保険」とは、1990年前後、バブル前後の約10年間に加入した、「貯蓄性のある生命保険」。こうしたものは、放っておいても勝手に大きく増えていきます。 生命保険の「保障」には、「死亡保障」と「入院(通院)保障」があり、この2つの保障は掛け捨てです。「定期保険」などは、まさに掛け捨ての保険ですが、ここに「貯蓄部分」が付いている保険もあります。「終身保険」や「定期付き終身」「個人年金保険」などがそれです。 この「貯蓄部分」には、加入した時に約束した「予定利率」という運用利回りが最後まで適用されるのが特徴です。 この運用利回りは、加入時点で決まり、運用利回りが高い時に加入した保険の「貯蓄部分」は、低金利の今でも高い利回りで運用されています。 たとえば、1990年前後に「終身保険」や「個人年金保険」に加入していた人などは、運用利回りが5.5%。この、とんでもなく高い5.5%という利回りが、保険料を払い終わった後でも、今のような超低金利の時代の中でも、ずっと続いているのです! それが、どれだけ凄いのかを具体的に見てみましょう。