センバツ32校が決定!主力7人故障の天理は「近畿を制する者は甲子園を制す」の高校野球新格言を守れるのか?
明治神宮大会の中京大中京戦で1試合3発の離れ業を演じた左の強打者、河西陽路内野手(2年)も、そんな1人。近畿大会前から右肘に痛みがあり、神宮大会後に遊離軟骨のクリーニング手術を受けている。 もっとも、充電期間に充てた冬場は筋トレと食トレによる体力づくりに力を入れたと言い、時には夕食でラーメン鉢に盛った1キロの白飯をペロリと平らげた天理のおかわり君。そのかいあって、体重は昨秋から3キロ増の91キロになった。 「いまは軽いバッティング練習だけ。フリー打撃はこれからですが、下半身も強くなっており、どこまで飛距離がアップしているか楽しみです」 30日からはスローイングも再開する予定でセンバツには間に合わせる。 「フルスイングしたら飛んでいくことが分かりました。神宮大会の3発は自信になりました。1年秋から2年夏まで本塁打ゼロでしたが、プラス思考に変えたのがいい方に出ている」 太い眉毛と愛嬌のある顔は、“おかわり君“ではなく、さながら”おにぎり君”。甲子園でアーチを描けば人気者になりそうだ。 中村監督は5年前にコーチとしてセンバツ出場経験があるが、監督としては初出場。 「甲子園が決まって、自分のころを思い出しました。あのころの自分は調子に乗っていたので、そうならないように指導しないといけませんね」 1986年の夏の甲子園優勝メンバーでもある中村監督は、4番打者としてセンバツにも2度出場したが、いい思い出がない。1985年の第57回大会は、準々決勝で0―7で春夏連覇を果たすKKコンビのPL学園に大敗し、キャプテンとして出場した翌年の第58回大会では2回戦で尾道商に0―1と惜敗している。 「2年の時に出たPLとの試合では、無死一、二塁でバントが小飛球に。取れそうにないと思ったら桑田真澄さんがさばき、トリプルプレーを決められた。あのときは目が点になりました。翌年には尾道商に悔しい完封負け。でも、それが夏の甲子園優勝につながった。甲子園は成長させてくれる場所です」 自らの苦い思い出をセンバツでの指揮に生かす決意だ。