阪神の藤川球児が金本監督の誕生日に4580日ぶりの先発勝利!
阪神の藤川球児(35)が3日、横浜スタジアムで行われた横浜DeNA戦で、今季2度目の先発、初回にもらった3点を含む大量援護をバックに6回を投げて、2安打、4三振、無失点の内容で、勝利投手の権利を持ったまま、中継ぎへバトンを渡した。チームは北條のプロ初アーチ、江越の今季1号2ランなどで追加点を重ねて8-3でゲームセット。藤川が復帰後、初勝利を手にした。藤川の先発での勝利は、2003年9月19日の巨人戦以来、4580日ぶりとなる。
ベンチ前でキャッチボールをしながら藤川は、頼もしくスコアに刻まれる先制点をみつめていた。 一回一死一、三塁から「どんな形でも、球児になんとしても1点を取ってやりたかった」という福留がセンター深くへ先制の犠牲フライを決めると続くゴメスが石田の外の変化球をとらえてレフトスタンドへ一撃。 「球児に初勝利を」。その思いが3点の援護に変わった。 だが、藤川の立ち上がりは決してよくなかった。横浜スタジアムのマウンドの角度が合わなかったのか。コントロールに苦しむ。一死から荒波を歩かせ、要注意の筒香には、初球のインコースを狙ったボールが狂ってデッドボール。だが、5番に入っている松本をセカンドゴロにおさえ込んだ。二回も倉本、柴田に連続四球。無死一、二塁と走者を背負うが、戸柱に代わってマスクをかぶっている高城をフォークで料理。続く石田にはバントも許さず、横浜DeNA打線の拙攻にも助けられピンチをピンチとしなかった。 ここから徐々に環境にアジャストしていくのが、藤川のベテランゆえの経験値である。完全にリズムを取り戻して、5回は三者凡退。相手の狙いを外して「打たせる」投球術が冴え始める。 試合前、ラミレス監督は「藤川には黒田並みのピッチング術があり、打ちとろうという気迫を感じる。タフなピッチャーだ」と、最大級のリスペクトを口にしていた。 そして「対策はできている」とも語っていたが、不振のロマック、白崎を先発から外し、新人の戸柱もリフレッシュのため代えるなど、パワーダウンしていた打線は緩急を巧みに操る藤川の術中にはまった。 6回に、横田、福留の連続二塁打で追加点をもらった藤川は、その裏も先頭の筒香をカーブでポーンとフライを打ち上げさせ、松本はレフトフライ。6番の倉本も、1球でセカンドゴロに抑えた。6回、91球、無失点で先発のノルマを終え、勝利投手の権利をもったままマウンドを中継ぎ陣に譲った。