阪神の藤川球児が金本監督の誕生日に4580日ぶりの先発勝利!
わずか2安打。三塁を踏ませない円熟ピッチングだった。 「せっかく点をとってもらったのに立ち上がりで走者を出すなどして申し訳なかった。ただ、徐々に修正できたのがよかった。今日は、梅野にすべてのリードを託した」 阪神と2年契約でのメジャーからの凱旋復帰が決まり、昨年オフ、金本新監督と会談を持ったとき、藤川は「先発でも中継ぎでもなんでもやります」と、男気を伝えた。先発調整からならば、いつでも中継ぎへ回ることもできる。そう考え、キャンプでは先発を念頭において準備に入った。沖縄キャンプの初日で一番目立っていたのは、藤川のボールだった。金本監督は、その日の会見で、藤川の名前を挙げた。 そして藤川はオープン戦で結果を残し、先発5人目の座を誰にも文句を言わせずに奪い取った。 トミー・ジョン手術から3年目。一般的には術後の影響を受けず、力を発揮することのできる年だといわれている。藤川の、この日のストレートは、140キロ前半程度。ストッパー時代の炎のストレートは失ったが、スピードガンの掲示以上に、体感の伸びがあった。ストッパーから先発への転向成功例は少ないが、“速く見せる技術”で、見事に蘇ったのだ。チームは北條のプロ初アーチや、福留の3打点目となるタイムリー、江越の2ランなどで着実に追加点を重ねて、藤川の復帰後、初勝利を後押しした。 この日は、金本監督の48歳の誕生日。チームの精神支柱とも言える頼れる男が450日ぶりの先発勝利という最高の誕生日プレゼントを手に帰ってきた。