【2023年ヒット商品 総ざらい】猛暑、バスケW杯、道交法改正……下半期4大ニュースから読み解く“売れたモノ”6選
2023年はコロナ禍終息の兆しが見え、行動制限が緩和。それに伴い、さまざまなアイテムがヒットしました。今回は、そんな2023年下半期に世間を賑わせたニュースを振り返りながら、それに関連するヒット作について分析!これを読めばヒットの理由も頷けるはず。 【画像】【2023年ヒット商品 総ざらい】WBC優勝「大谷翔平」フィーバーで爆売れ!? ほか 上半期5大ニュースから読み解く“売れたモノ”を詳しく、写真を見る(全19枚)
【2023下半期】「トレンドに詳しいプロと振り返る!」ヒットの法則は、新たな体験を求めた “新・手ざわり感”
2023年も世間を賑わせるニュースが多数登場し、ニュースきっかけのヒットアイテムも誕生した。ならば、世間を賑わせたニュースは、世の中の人のどんな心理や行動から生まれたのかを探れば、ヒットの法則が導き出せるかも。そう思い、博報堂生活総合研究所の上席研究員、佐香 孝さんに2023年のニュースについて話を聞いた。 ■タイパ志向が後押しした電動キックボードの流行 ──2023年の新しい流行のひとつに電動キックボードがあります。 佐香「新しい移動手段は社会課題を解決するためという一面もあり、常に耳目を引きます。まず、生活者の間でタイパ志向が高まったことで効率よく時間を使いたい人に受け入れられたのかと思います。さらに個人的な印象ですが、電動キックボードは、乗る人にかなり新しい感覚を与えているように見えます。これも『新しい手ざわり感』のあるリアル体験のひとつなのではないでょうか。」 ■猛暑がもたらした功罪の功はメンズ日傘 ──猛暑で日傘男子が急増しました。 佐香「私も日傘を購入しました。使ってみると非常に快適で、どうして今まで日傘を差さなかったのかと考えたほどです。きっと、日傘は女性の持ち物という古い意識があるからかもしれません。なのに手に取る人が増えたのは、猛暑が『背に腹は代えられない』という感覚をもたらしたことが大きいのではないでしょうか。 やむをえない中で使ってみたら、便利さが認知されて普及した例はよくあります。最近ではオンライン会議が典型的ですね。」 ■他のスポーツも後に続きたいと考えたはず ──9月はバスケW杯も話題でした。 佐香「かっこよかったですよね。他のスポーツ関係者も同じような盛り上がりを得たいと考えているでしょう。日本人は幅広くスポーツを楽しみ、卓球やバドミントン、ラグビーなどにも視野が広がっています。 2024年はパリ五輪が開催されます。新種目のブレイキンは注目されるかもしれないですね。東京五輪で14歳のスケートボード選手が注目されたように、この夏は、また新しい領域で注目される日本人が現れるのかなと思いますし、新しいことが起こるのを期待しています。」 ■「新しい手ざわり感」に期待が高まる年になる ──2024年はどうなりますか? 佐香「2023年はコロナ禍を経て、リアルな喜びをもう一度取り込みたいという気持ちにあふれた一年だったと思います。物価高や戦争の不安もあるけれど、とりあえず今は目の前のことを楽しもうとするなど。どこか刹那的ですが、この流れは2024年も続いていくと思います。 ただリアルな喜びや楽しみだけではなく、まだ触れたことがない『新しい手ざわり感』があるものを生活者は求めていくでしょう。一方、フリマアプリなどで『売る』ことまでを最初から考えてものを『買う』ような『コスパ消費』もZ世代から広い世代に浸透するかもしれません。」