声や表情が…演説スタイルに変化 トランプ氏、銃撃後初の演説
日テレNEWS NNN
トランプ氏が銃撃事件以降、初めて共和党の支持者の前で演説しました。事件を経て、演説にはある変化が見られました。一方、バイデン大統領が近く選挙戦からの撤退を決断する可能性があるとアメリカメディアが報じました。
命を狙われたあの日から丸5日。銃撃事件後初めて… トランプ前大統領 「あのとき何が起きたのか、私の口から二度と話すことはない」 “今回かぎり”だとして自ら当時を振り返りました。 トランプ前大統領 「暗殺者の銃弾は私の命を奪うまで、あと4分の1インチだった」 アメリカ大統領選に向けた共和党大会最終日。トランプ氏がまず語ったのは、奇跡的に助かった銃撃事件についてでした。 トランプ前大統領 「風を切る音がして、何かが私の右耳に非常に強くぶつかった。『今のは銃弾としか思えない』と思い、右手を耳に当てそれを下ろすと私の手は血まみれだった。私は今夜、ここにいるはずではなかった」
トランプ氏のこうした言葉に… 記者 「トランプ氏の声に支持者が涙を流しています」 そして話題は右腕を突き上げた“奇跡の1枚”へ。 トランプ前大統領 「観衆は私が死んでしまったと思っていた。私が右腕を上げると、息をのんで待っていた何千人もの人々が『ファイト』『ファイト』『ファイト』と叫び始めた」 さらに、事件に巻き込まれ亡くなった元消防士の制服に歩み寄り、キスする場面もありました。 銃撃事件後、自ら内容を大幅に書き換えたという今回の演説。多くのアメリカ国民が注目する中、強調したのは… トランプ前大統領 「私は『半数のアメリカ人』ではなく、『すべてのアメリカ人』のための大統領を目指す。『半数のアメリカ人』で勝つことは勝利ではないからだ」 分断ではなくアメリカ国民に団結を呼びかける姿勢です。
トランプ氏の次男エリック氏は、アメリカメディアに銃撃事件を受けて「トランプ氏の人生観が変わった」と指摘。銃撃事件より前の演説では… トランプ前大統領(銃撃事件より前の演説) 「ジョー、お前はクビだ。出て行け! クビだ!」 「ジョー・バイデン『お前はクビだ! ひどい仕事ぶりだ。史上最悪の大統領だ』」 厳しい言葉と激しい語気でバイデン大統領を批判していましたが、今回は淡々とささやくように… トランプ前大統領 「アメリカ史上最悪の大統領10人を考えたとき、全員合わせたとしても、バイデンが与えたほどのダメージを与えることはできないだろう。バイデンという言葉はもう使わない、一度だけ。彼がこの国に与えたダメージは想像を絶するほどだ」 表情もやわらかくなったように見えます。 トランプ前大統領 「力を合わせればできる、団結しよう。そして成功が私たちを団結させる」 しかし… 記者 「あくびをしていますね」 指名受諾演説としては過去最長の約1時間半も続いたため、耐えきれず眠ってしまった支持者もいました。それでも… 支持者 「今夜の話すトーンは完璧だった、話すべきことを話した」 勢いづくトランプ氏。
対するバイデン大統領には逆風が吹き荒れています。 バイデン大統領の“盟友”で、民主党内で大きな影響力をもつオバマ元大統領は周辺に対し「バイデン氏の勝利は遠のいた、撤退を真剣に検討する必要がある」。さらに、民主党の重鎮・ペロシ元下院議長が「バイデン大統領が近く撤退を決断する可能性がある」と話したとワシントン・ポストが18日報じています。 大統領選に向け一致団結するトランプ陣営と、撤退論が噴出するバイデン陣営。運命の日は今年11月5日です。