50歳の高橋由美子「ギャップを埋める難しさが…」、新作舞台に意欲
「20世紀最後の正統派アイドル」と呼ばれた、俳優・歌手の高橋由美子が、演劇ユニット「unrato(アン・ラト)が主宰し、元宝塚歌劇団雪組トップ・朝海ひかるが主演する舞台『Silent Sky』に出演する。10月14日に大阪市内で会見をおこない、今年1月に50歳を迎えて変わったことなどを語った。 【写真】チェックのワンピース、高橋の全身ショット ■ 50歳になり「新しい『高橋由美子』に」 本作は、アメリカの劇作家ローレン・ガンダーソンが2011年に発表し、バラク・オバマ元米国大統領が「この年に観た一番すばらしい舞台」とたたえた作品。まだ男女差別の激しかった1900年代初頭に、女性ながら天文学の分野で数々の功績を上げた、ヘンリエッタ・スワン・レヴィットの激動の人生を、彼女の周囲にいた女性たちとの交流を通して描き出す。高橋が演じるのは、温かい人柄でヘンリエッタを支えつづけた、音楽好きの妹・マーガレットだ。 妹役が初めてという高橋は「好きなことをして生きる姉を見て『自分が本当はなにがしたいのか?』 を見つけていく。私は妹がいますが、ヘンリエッタが実際の私とダブるところがあるので、もしかしたら私のことをこう思ってたの? という感情が湧いてきます」と自分と重ねて語る。またマーガレットにはピアノ演奏の場面があるが「まったく弾けなかったのでゼロからはじめて、(劇中に出る)2曲は完ぺきにできるようになりました」と、特訓の成果を明かした。 40代を振りかえって「自分がやってみたい役と、いただける役とのギャップを埋める作業に、一番難しさを感じた時期でした」と打ち明けるが、50歳になって「こういう芯が深く描かれた作品に出られるのは、次のステップにつながるのではと思います。ただ受け入れて表現するのではなく、みんなでディスカッションをして作っていくことができるようになったので、新しい『高橋由美子』になってきたのかな」と、気持ちを新たにしているそうだ。 「100年前から女性たちは常に戦って、そうして新しい分野で羽ばたいていったことを感じます。一方で、男性もやはり戦っていたり、女性が戦うためのサポートをしていたことも描かれていて、その両軸がうまく回っている作品」と評価し、さらに「教科書で勉強した星の話が、より身近に感じられるようになりました。星空が描かれたセットや照明もすごくキレイなので、ぜひ劇場でご覧いただけたら」と、ビジュアル的にも見ごたえのある作品になることを保証した。 ほかには松島庄汰、保坂知寿、竹下景子が出演。演出はunratoの大河内直子がつとめる。10月の東京公演を経て、大阪公演は11月1日~4日に「ABCホール」(大阪市福島区)にて。チケットは一般9800円、学生5500円で、現在発売中。2日夜公演は、出演者たちによるアフタートークもあり。 取材・文・写真/吉永美和子