国会に突入した特殊部隊司令官、自らの「無能」を謝罪 韓国
ソウル(CNN) 韓国で先週「非常戒厳」が宣布された際に国会の制圧のために投入された特殊部隊「707特殊任務団」のキム・ヒョンテ大佐は9日、部隊に国会突入を命令したことを謝罪し、部隊を「重大な危険」にさらしたと述べた。 キム氏は記者団に対し、尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が戒厳令を宣布した際、部隊に国会への突入を指示したことをめぐり、自身を「無能で無責任な司令官だ」と述べた。 キム氏によれば、国会に突入した兵士197人の司令官としてヘリコプターで最初に現場に到着した。その後、兵士に対して、建物を封鎖し、窓を破って敷地内に入るなどの指示を出したという。 キム氏は兵士について、今回の状況の最大の被害者だと指摘。「兵士らに罪はない。兵士らの唯一の欠点は無能な指揮官の命令に従ったことだ」と述べ、兵士らを許すよう訴えた。 キム氏はまた、兵士が金竜顕(キムヨンヒョン)前国防相に利用されたと述べた。 尹大統領が3日夜にテレビを通じて戒厳令を宣布した際、韓国の人々は信じられない思いで状況を見守った。こうした命令に反し、抗議する人々は尹氏の辞任を求めて国会の外に集まった。 国会の外には約300人の兵士が配備されていたが、議員は強行突破し、国会で戒厳令の解除をもとめる決議案を可決。その後、戒厳令は解除された。 尹大統領や金前国防相をめぐっては、警察が反逆罪の容疑で捜査を行っている。金前国防相は8日に拘束された。