「STARTO」始動に早速ケチが…「補償業務」に専念のはずが「ファンクラブ運営」を続投していた訳
4月10日、STARTO ENTERTAINMENTのアーティストが集結するライブ『WE ARE! Let’s get the party STARTO!!』が、東京ドームで行われた。 平野紫耀 キンプリ時代に見せたスタッフへの”神配慮”【写真】 故ジャニー喜多川氏の性加害問題を乗り越え、新会社とともに再出発……といったムードになっているが、ネット上ではファンクラブ(以下、FC)運営に関する厳しい指摘も上がっている状況だ。 昨年秋、ジャニーズ事務所は創業者・ジャニー氏の性加害を事実と認め、同社が被害者の補償と救済に取り組む会社になると宣言。社名を「SMILE-UP.」に変更し、タレントのマネジメントなどを担う新会社を設立すると発表した。なお、SMILE-UP.は被害者の補償業務が終わり次第、“廃業”することも明らかになっている。 「今年4月に入り、ようやく新会社・STARTO ENTERTAINMENTが始動の時を迎えました。その一方で、少し前から一部ファンの間では旧ジャニーズのFC組織・ファミリークラブに関する疑問の声が上がっていたんです。というのも、3月末の時点でFC会員のもとに届いたメールには『(C)SMILE-UP.』の文字が入っていたそう。4月10日にSTARTO社のお披露目コンサートが控えている中、補償業務に専念しているはずのSMILE-UP.がFCの運営も担当しているのかと、困惑していたようなんです」(芸能ライター) 会員規約ページを確認すると、ファミリークラブの目的(第1条)については「アーティスト(個人またはグループ、以下『アーティスト』といいます)及びジュニアを応援する会員と株式会社SMILE-UP.(以下『当社』といいます)によって構成され、会員がアーティスト及びジュニアを応援することを目的とします。当社は、ファミリークラブの事務局として、アーティスト及びジュニアのファンクラブを運営します」(原文ママ、以下同)と記載されていた。 「この点に関しては、一連の事務所問題を追及しているジャーナリスト・松谷創一郎氏も厳しいスタンスで見守っています。4月10日、Yahoo!ニュースにて配信された『日刊スポーツ』の『井ノ原快彦はCMOに STARTO ENTERTAINMENT本格始動で役員構成など発表』と題した記事のコメント欄で、Yahoo!ニュース エキスパートである松谷氏は“この「『ファミリークラブ』運営会社」は、そのHPに『株式会社SMILE-UP.によって構成され』とあります。つまり、STARTOのマネジメント/エージェント業務の根幹をいまもSMILE-UP.が握ったままなのです。そこではSMILE-UP.が『補償会社としてのみ存続する』との宣言も反故にされています”などと解説していました」(同) SNS上でも戸惑う声が噴出する中、同15日にはSMILE-UP.が公式サイトにて、「今後のファンクラブおよび音楽原盤等の版権の取り扱い方針について」というお知らせを更新した。これによると、旧ジャニーズに所属していた28組295名のタレントたちはSTARTO社と契約し、移籍が完了したとのこと。SMILE-UP.が「補償業務に特化し、業務完了後には廃業する方針」なのは変わらず、STARTO社の経営にも関与しないという。 また、ファミリークラブは「本年夏を目処に、弊社から分社し、独立を進めてまいります」とアナウンス。ファミリークラブを閉鎖し、STARTO社で新規のFCを立ち上げることも検討したというが、「その場合、これまで支えてきてくださった会員の皆さまの会員番号もなくなることになります。 今の会員番号に思い入れを持ち、長きにわたりタレントたちをお支えいただいてきた皆さまのお気持ちを考えますと、弊社としてはその選択もできませんでした」と、経緯を明かしている。 「ファミリークラブとSTARTO社は別会社になるため、STARTO社にFC会員の個人情報は開示されない、とも補足しています。現在の会員番号に思い入れのあるファンらは『FCと会員番号が守られて安心した』『個人情報や会員番号がどのように扱われるか不安だったけど、別会社であるSTARTO社に個人情報を渡されなくてよかった』と喜んでいるのですが……」(同) 前述の松谷氏は15日付のX(旧ツイッター)で「なぜこのことをSTARTOの東京ドームライブの前に発表しなかったのでしょうかね。私や朝日新聞やNHKの取材を無視してまで」と、率直な感想を吐露。なお、この段階でFC会員向けのメールなどは来ておらず、SMILE-UP.のサイトやテレビの報道で事態を把握した人もいたといい、 〈SMILE-UP.がFCを分社化するってお知らせのメール、みんな来てるの? 自分はテレビで知ったんだけど……〉 〈FCの話なのになぜ会員への説明が後回しなの?〉 〈FC運営については私たちの会費や個人情報が関わってる問題。その説明はSTARTO社の始動時にするべきでしょ〉 と、不快感をあらわにしていた。 とはいえ、SMILE-UP.は公式文で「59年の歴史を有する会社の廃業には、乗り越えるべき課題も多く、どうしても時間を要してしまうことがありますが、専門家の助言を受けながら一歩ずつ、補償と共に誠実に着実に進めております」ともつづっており、慎重に動いているがゆえに、報告が後手後手になってしまっているのかもしれない。ファンは、温かい目で見守っていくしかなさそうだ。
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