クリスマスケーキ値上げ抑えたいけど… イチゴ高騰、チョコ仕入れ値上昇 代わりにシュトーレン人気 福井県内の洋菓子店
材料費の高騰や人件費の上昇を受け、福井県内の洋菓子店ではクリスマスケーキの価格に影響が出ている。工程を見直すなどしているがコスト上昇分は吸収仕切れず、昨年に比べ1割程度価格を引き上げた店舗もある。 「ケーキに使う材料は軒並み上がった。価格に転嫁せざるをえない」と話すのは、「パティスリー オリヴィエール」(福井市順化1丁目)のオーナー。クリスマスケーキを全体で5~10%値上げした。売れ筋の5号サイズのケーキは約8%高の5200円となった。 中でも影響が大きいのはイチゴの高騰という。今年は猛暑の影響で収穫量が少なく、前年に比べて仕入れ価格が約2割上昇した。オーナーは「すべての材料費を考えると本来は20%程度の値上げが必要だが、大幅な値上げは客離れにつながる」とし、ロスを出さないよう仕入れ量を見極めたり、工程を見直し1個あたりの製造時間を5~10分短くしたりしてコストを抑えているという。 チョコレートの仕入れ値も上昇した。「パティスリー ル・タニ」(同市上野本町3丁目)では、チョコレートをふんだんに使ったガトーショコラは売れ筋の一つ。材料の仕入れ値が1~2割上昇し、5号サイズは5940円と1割強の値上げ、全体でも1割弱の値上げになっているという。 福井市内に複数店舗を構える洋菓子店も1割値上げする。材料費に加え、クリスマス時期はパートや短期アルバイトを含め、1日に普段の倍の約30人が働く。時給を通常より割り増しするため人件費も重くのしかかる。一方、予約状況は昨年より低調で、同店は「値上げの影響はあると思う」とみている。 一方、クリスマスケーキの代わりとして、ドイツでクリスマス時期に食べる菓子パン「シュトーレン」の人気が高まっている店も。坂井市のパン店「スペイン石窯パン酵母はちの子」春江店では、1944円の大サイズ、1080円の小サイズのシュトーレンの販売量が年々、増えている。店主は「昔は外国のお菓子に興味がある人が買うものだったが、取り扱う店が増えた。もっと浸透していってほしい」と話していた。