西武中村剛也「芯で打て」栗山巧「工夫が必要」高校野球の新基準“低反発バット”の印象を尋ねた
第106回全国高校野球選手権大会が約1カ月後に迫り、各地方大会が順次、開幕。健大高崎(群馬)が初優勝した今春センバツは“低反発バット”が初めて採用され、サク越え本塁打は2本のみだった。 夏本番が近づく今、レジェンド打者は「シン時代」の高校野球をどう見たか。西武中村剛也内野手(40)と栗山巧外野手(40)に新基準バットの印象を尋ねた。 ◇ ◇ ◇ 西武中村は「見てて面白いっすよ、アマチュアの方が。試合中もいろいろ起きるし、間延びしないし」と、実はアマ野球ファンの1人だ。「ちらっとね。試合前のロッカーとかで」と今春センバツも見ていた。新バットの感想は? 「うーん、なんかこすった打球が多かったですよね。木の(バットの)方が飛ぶとかって言うよね」 99~01年に大阪桐蔭に在籍し、高校通算83本塁打を放った。「僕らの時、金属バット全盛期です。どこのメーカーのもめっちゃ飛んで。薄くて軽くて、830グラムの振り回して。藤井寺球場の一番上まで飛んだもん」と誇らしげ。3年夏も大阪大会で6本塁打したが「6本しか打てなかった」と真顔で言うほどだ。 低反発バットは「飛距離が5メートル落ちる」との説がある。仮に高校時代、そのバットを使ったら83本は何本まで減ったのだろうか。 「どうなんですかね。うーん、5メートルくらいならね。全部が全部芯で打つホームランでもないし、って考えると半減までかは分からないけど、それなりには減るんじゃないですかね」 プロでは木製バットで本塁打王を6度獲得。来春には長男が高校野球に挑戦する予定だ。中学生はさておき、小学生段階では高反発バットで野球を始める子どもも多く、高校野球で一気に「飛ばない」現実を知ることにもなる。 「そうですね、一気に飛ばなくなって。投手のレベルも上がるし、慣れるまでは大変そうっすね」 「一度打ってみたいな~、低反発」と興味津々の中村がイメージする、飛ばないバットの打ち方は? 「いやもう、芯で打てと。とりあえず。まずはそこからですかね。あとはよく言われるインサイドアウト。インサイドからしっかり打つことじゃないかな。それより、飛ばないって意識しすぎないこと」 何よりも自分のカタチを崩さないように-。泰然自若、おかわり君の至言だ。【金子真仁】 ○…西武栗山は新バット導入の大会を「面白いな~と思って見てましたよ」と振り返る。そのココロは「守備もアグレッシブに前進するじゃないですか。だからこう、高校野球らしさがあるかなって」。プロ通算2000安打超のバットマンは「もっと短く持つとか。内野が前に来るから、その頭を越すような打撃をイメージするとかの工夫が必要でしょうね」と持論を展開。中村と同期で育英(兵庫)時代には通算47本塁打。「低反発バットだったら何本減るか?」の問いかけには「20発くらいまで減るかな。でも、それはそれで球をかち上げに行って、入れるでしょうね」と笑った。