米国で急成長の「バイラルメディア」ってどんなもの?
いま、インターネット上では米国を中心に「バイラルメディア」が急成長を遂げています。そのブームは日本にも上陸し、ここ数ヶ月で複数のバイラルメディアが誕生しました。しかし「バイラルメディアってなに?」という方もまだ多いと思いますので、その基礎知識や日本における現状、今後の予測などをご紹介します。
ソーシャル系サービスとの連携で急速に拡散
バイラルメディアの「バイラル(viral)」とは、もともと「ウイルス性の」という意味の単語です。そこから転じてマーケティング業界では、まるでウイルス感染のように口コミで爆発的に広がっていくことを「バイラル効果」、この効果を利用して低コストかつ効果的な宣伝や顧客獲得に結びつけるマーケティング手法を「バイラルマーケティング」と呼んでいます。 バイラルメディアは、こうした仕組みを利用したメディアサイトです。最大の特徴は、従来のバイラル効果が現実世界の口コミを中心とした伝播だったのに対し、バイラルメディアではFacebookやTwitter、はてなブックマークなどのソーシャル系サービスを中心にインターネット上で広がっていくこと。SNSのユーザー数が爆発的に増加している昨今、現実世界の口コミよりも情報の急速な拡散が可能で、まさにインターネット全盛時代ならではの手法といえるでしょう。 米国で代表的なバイラルメディアといえば「Upworthy」が挙げられます。2012年3月にサービスを開始し、現時点で約9000万人もの月間ユーザー数を獲得するという驚異的な成長を遂げました。さらに月間訪問者数が1億3000万人を突破した「BuzzFeed」をはじめ、「Distractify」や「Know More」など数多くのサイトが登場し、着実にユーザー数を伸ばしています。
画像や動画をメインに“誰かに教えたくなる”記事を掲載
バイラルメディアは記事の掲載方法にも特徴があります。もちろんご存じの通り、従来のメディアサイトにもソーシャル系サービスとの連携機能はありました。しかし、こちらがあくまでも文字ベースの記事ありきだったのに対し、バイラルメディアの場合は画像や動画が主体。“記事をじっくりと読ませる”よりも“直感的な印象”を重視しているのです。実際に見てみるとよく分かりますが、バイラルメディアのトップページには思わずクリックしたくなるキャッチーなタイトルと、写真や動画のサムネイルがずらりと並んでいます。 記事の内容ですが、バイラルメディアはソーシャル系サービスを使って短時間でより多くの閲覧者数を獲得するのが目的となるため、記事内容としては“思わず誰かに教えたくなる”ようなものがメイン。ジャンルに関しては多岐にわたっており、政治関連では「Independent Journal Review」などが広く知られています。