スポーツの世界へブレイキンをレペゼン!カナダのPHIL WIZARDが金メダルを獲得「パリ2024オリンピック」ブレイキン・男子
世界のトップランカーが一挙集結
7月26日に開会式を迎え、8月11日にフィナーレとなる閉会式が実施されたパリオリンピック。今大会で新種目として採用され、オリンピック初登場となるブレイキンは8月9日に女子、8月10日に男子が行われた。パリオリンピックへの出場権は、男女各16名で各国上限は2枠。世界選手権優勝者1枠、各大陸王者の5枠、開催国フランス1枠、国際オリンピック委員会(IOC)などが割り当てるユニバーサリティ2枠、残る7枠はOQS(オリンピック予選大会)で勝ち抜いた選手に与えられた。 日本からは、Shigekix(半井重幸)、HIRO10 (大能寛飛)、がパリオリンピック日本代表として出場。日本代表争いは非常に熾烈で、長きに渡って戦いが繰り広げられており、6月に行われたオリンピックの最終予選の最後の最後まで競われていた。海外だけでなく、国内でのハイレベルな競争にも勝ち抜いたShigekixとHIRO10には、大会前から期待や注目が集まることとなった。
記録よりも記憶に残るダンスを披露した日本のHIRO10に、パリの大観衆が最大限の賞賛を送る
日本代表の二人は奇しくも予選で同じ組に名を連ねる。ShigekixとHIRO10が入ったグループAには、アメリカ代表で昨年の世界選手権王者のVICTORもクレジットし、決勝トーナメントへ勝ち上がる難易度がかなり高いグループとなった。B-Boyの開幕戦となったのは日本代表のShigekixとアメリカ代表のVICTORのバトル。激戦が予想されたグループAということもあり、初戦から両者共にシグネイチャームーブを多く繰り出し、大接戦の末に1-1のドローで終了。VICTORはその後のバトルで全てのラウンドを獲得して1位通過、Shigekixは中国のLITHE-INGとのバトルを引き分けたが、HIRO10には2-0で勝利し2位通過で決勝トーナメント進出を決めた。
一方のHIRO10は、初戦、2戦目共に1ラウンドも取れず、3戦目を前に予選敗退がほぼ確実な状態であった。しかし、アメリカのVICTORと戦った3戦目でHIRO10はこの日行われた全てのバトル中でも最も印象に残るムーブを披露。得意である難易度の高いパワームーブを繋げた連続技を成功させ、オーディエンスは大盛り上がり、HIRO10に軍配が上がったと思われたが、まさかの1ラウンドも取れずVICTORが勝利。このジャッジに対して会場からは大ブーイングが起こり、HIRO10がステージを後にする際には、パリの大観衆が彼に声援を送り続けた。