夫婦で年金「22万円弱」、毎月の赤字は「3.8万円」…高齢世帯の暮らしが「年々苦しくなっている」
厚生労働省『令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、厚生年金保険(第1号)受給者の平均年金月額は、老齢年金で14万4,982円です。これが平均の金額ですが、世帯で考えれば、共働きの夫婦で合わせて25万円程度もらえれば良いほうではないでしょうか。もし、専業主婦だった場合は国民年金のみで妻は月に5万円ほど、夫婦で20万円弱の金額となります。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
国の報告書に記された「不足分 3万7,916円」
総務省『家計調査年報(家計収支編)2023年(令和5年)2 総世帯及び単身世帯の家計収支』には、二人以上の世帯および単身世帯の家計収支の状況について詳細が記されています。 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)について見ていくと、1ヵ月あたり実収入は24万4,580円、消費支出は25万959円、非消費支出(税金や社会保険料など)は3万1,538円となっています。実収入の89.3%(21万8,441円)は社会保障給付。表の右側に目を向けると「不足分 3万7,916円」と記されています。収入を支出が上回るという結果です[図表1]。 しかし3年前の同調査を見ると「実収入は25万6,660円、消費支出は22万4,390円、非消費支出は3万1,160円」で、「黒字 1,111円」とギリギリ収入が上回る結果となっていました[図表2]。 3年で大幅に赤字へ転換した夫婦高齢者無職世帯の生活。65歳以下の世代も、「不足分」が生じることを念頭に、老後へ向けた資産形成は必須といえそうです。 厚生労働省が運営する『いっしょに検証!公的年金 ~財政検証結果から読み解く年金の将来~』では、「おおよその年金額を知りたいときはどうしたらいいんだ?」という質問に対して、次のような金額が例としてあげられていました。 “厚生年金に40年間加入して、その期間の平均収入(月額換算した賞与含む)が月43.9万円の場合、受給額は月額約9.0万円の老齢厚生年金と、月額約6.5万円の老齢基礎年金を合計した約15.6万円(令和2年度)になります。”
【関連記事】
- 年金25万円・実家の両親が要介護、長男は引きこもり、貯蓄も使い果たし…50代長女に助けを求めるも「ごめん、私も余裕ない」
- 〈年金月18万円・退職金2,000万円〉図書館の本を読みふけり、ネットサーフィンしかしていない定年退職後だったが...68歳元サラリーマンがいとも簡単に「老後破産」した理由【FPが解説】
- 「親が亡くなったら、真っ先にコンビニへ走る」が新常識!相続手続きで困らないためにやるべき、たった一つのこと【税理士が解説】
- 65歳で「年金200万円」だったが…70歳での「受取額」に衝撃
- 年金月4万5,000円の70歳・独身男性「もう、生きていけない」の悲惨…役所に助けを求めるも、担当者にいわれた冷酷なひと言