乗り方が独特な沖縄の路線バス……ほかの地域と比べたときの車両的な違いと特徴を精査した件
■全国に現れるあのバス会社の車がここにも!
車体の特殊な意匠によって出身地を隠しきれない車両も見逃せない。車体を正面から見てフロントガラスの右下に小判型の窓が付いている車(三菱ふそうエアロスター)がある。 主要4社のうち沖縄バスがまとまった数を導入しているが、その小窓=あのバス会社から来た車だと思って間違いない。毎度おなじみ神奈中バスだ。 神奈中バスは路線網が膨大なだけに大量の車両を導入するのと、20年経たないくらいの間、まだ使える段階で定期的な車両の入れ替えを行なっている。 それもあってか引退後も他のバス事業者に引き取られて再就職するケースが全国的に見られ、沖縄でも同じ要領で元・神奈中車が現役続行中というわけだ。 ちなみにこの小窓は、元々「運賃後払い」のような、乗客向けの利用案内を掲示するための設備で、沖縄バスの元・神奈中車では、これといって何かに使われている様子はなさそうだった。 特徴的な小窓のほか、最近の神奈中車では更新されて数が少なくなってきた印象ながら、やや明るい青緑のシートモケットもまた元・神奈中のアイデンティティを残している。 そんな沖縄バスで元・神奈中の三菱ふそうエアロスター群をチェックしてみると、2001年式が多い模様。 見た目は現行タイプの一つ前ながらも、車齢で言うなら20年以上経っており、もうすぐネオクラシックの領域に達する長いキャリアの持ち主だったりする。
■あの車種は極少数派!?
現行タイプ~一世代前の大型路線車では、いすゞエルガ、日野ブルーリボン・ブルーリボンII・ブルーリボンシティ、三菱ふそうエアロスター、といった車種が第一線で活躍している。 唯一、首都圏でもまだ見られる車両ながら、沖縄では1台も出会わなかったのが、日産ディーゼル製の下回りに西日本車体工業(西工)製の車体を載せた、通称「96MC」と呼ばれる車種。 首都圏のほか福岡県内に行くと、西工の本場と言われるだけに、これでもかと言わんばかりの96MCがやって来て壮観であるが、一方の沖縄ではこの96MC、どうやらゼロ台ではないらしいが、レアな車種説が今のところ濃厚だ。