百条委、元局長の私的文書の一部を資料請求 元副知事の主張受け
兵庫県議会調査特別委員会(百条委)は、これまで元県西播磨県民局長(7月に死亡)の公用パソコンに保存されていた私的文書を調査対象に含めてこなかった。「告発文書の事実関係は証言や関係資料で確認でき、私的文書は関連しない」との判断からだ。ただ、片山安孝元副知事が私的文書の内容から告発文書が「不正目的」だと主張したことから、極めて個人的な文書を除き、県に資料請求した。 【写真特集】笑顔であいさつをする斎藤元彦氏 私的文書の存在は、県が3月に告発文書の作成者を特定する過程で把握。元局長から押収した公用パソコンに保存されていた。県は5月に元局長を停職3カ月の懲戒処分とした際、処分理由に4項目を挙げた。その中には、告発文書の「核心的部分が事実と異なり誹謗(ひぼう)中傷性が高い」ことに加え、「勤務時間中に多数の私的文書を作成した」ことが含まれていた。 百条委は告発文書の真偽を調査する目的で設置。一方、元局長の代理人弁護士は県が私的文書を所持していることから、取り扱いにあたっては、元局長のプライバシー権と内部告発者の保護に加え、基本的人権に最大限配慮するよう百条委に申し入れた。百条委は7月の理事会で2度、県に対し私的文書を資料請求すべきかを検討。最初は賛成多数で、2回目は全会一致で、それぞれ委員会の設置目的に照らし請求しないことを決めていた。 25日の百条委では、元局長の公用パソコンに保存されていた私的情報と称されるデータがインターネット上で拡散されている問題にも尋問が及んだ。委員からは「行政として秘密保持は最重要事項だ」「刑事告発をすべきだ」との指摘が相次いだが、斎藤元彦知事は「早急に第三者委員会を立ち上げて調査する」と繰り返すにとどめた。【中尾卓英、柴山雄太、木山友里亜】