資質はデビュー当時からだった? 鈴木紗理奈の女優としての期待値
タレント・鈴木紗理奈が8月に公開される主演映画「キセキの葉書」(ジャッキー・ウー監督)の演技が評価され、現地時間15日にスペインで開催された「マドリード国際映画祭」で最優秀外国映画主演女優賞を受賞した。 映画は脇坂みどりさんによる実話を基にした書籍『希望のスイッチは、くすっ』が原作。阪神淡路大震災から半年が経った兵庫県西宮市を舞台に、難病の娘と認知症とうつ病を併発する母に挟まれながらも度重なる試練を乗り越えてひたむきに生きる主人公を描いた作品で、紗理奈は主人公・美幸を演じた。 日本国内では、レギュラー出演しているフジテレビ系バラエティー番組「めちゃ×2イケてるッ!」などからタレントのイメージが強い紗理奈。 今月19日に都内で行われた記者会見では、現地で女優扱いを受けたことに対して、自ら「新鮮だった」と話して笑いを誘った。
「全日本国民的美少女コンテスト」では演技部門賞を受賞
そんな紗理奈だが、地元・大阪でのモデル活動後に参加した、米倉涼子や上戸彩、武井咲らを輩出している「全日本国民的美少女コンテスト」では『演技部門賞』を受賞。その後、グラドルや歌手としての活動とともに女優としてドラマや映画にも出演する。 「97年に公開された『岸和田少年愚連隊 血煙り純情篇』での演技は映画業界関係者の間でも高く評価され、伊勢谷友介さんや宮崎あおいさん満島ひかりさんらも受賞した『日本映画プロフェッショナル大賞』の『新人奨励賞』を獲得。00年には人気漫画を原作としてドラマ『OLヴィジュアル系』では主演に抜擢されるなど活躍を見せました」(映画誌編集者) その後も女優活動は継続する一方で、「めちゃイケ」のレギュラーなどバラエティー番組での活躍が目立つようになるが、その理由を芸能プロダクションマネジャーはこう語る。
特筆すべきバラエティー対応力の高さ
「女優業を減らしたというよりも、『めちゃイケ』がスタートする前後の90年代半ばは、ちょうどバラドルの需要が高まっていた時代で、トーク力やバラエティー対応力の高い紗理奈さんは重宝され、自然とバラエティー番組での仕事が増えていったのでしょう。実際、紗理奈さんは『めちゃイケ』以外にも、ビートたけしや志村けんさん、『とんねるず』、『ウッチャンナンチャン』などさまざまな大物芸人と共演していることでも、そのバラエティータレントとしての実力が伺えます。ちなみに、所属事務所の後輩には独身時代はグラビア活動をメインにバラエティーでも活躍する熊田曜子さんや安田美沙子さんらがいますが、事務所のバラエティー重視の戦略もあったのかもしれません」 多くのラブコールを受けてバラエティー番組を主戦場にしてきた紗理奈だが、女優としての才能の片りんはデビュー当時からあったようだ。 となると、気になるのは今後の女優としての活動だが、前出の映画誌編集者は語る。 「バラエティーで培った経験は女優としてもプラスに働くはずですし、今回の受賞であらためて女優としての才能も評価されたわけで、今後は今まで以上に映画の出演オファーは来るでしょう。とくに近年の邦画業界は漫画を原作とした実写映画が隆盛で10代、20代の若い女優さんの活躍が目立つ一方で、30代後半以上の主演クラスの映画女優は不足しています。ドラマで活躍している人や大竹しのぶさんや宮沢りえさんなど若い頃から映画女優として活躍してきた人はいるのですが……。そういう意味では、紗理奈さんに期待したいところですね」 先出の記者会見で紗理奈は、今回の受賞をキッカケに国内の映画賞も獲りたいかを問われると、「これで十分」、「等身大で今の自分で、欲張らずにありのままで頑張りたいです。器用じゃないので」と語っていたが、映画業界の期待は大きい!?