アートに音楽、つながる人の輪♪ 柏崎市のギャラリー「グルグルハウス高柳」農家民宿スタート
個性あふれる作品展や音楽会で知られる新潟県柏崎市高柳町岡野町のギャラリー「グルグルハウス高柳」で、農家民宿の運営がスタートした。個展を開く作家らが早速宿泊している。グルグルハウスを運営する今井伸治さん(69)は「今まで以上に芸術や交流の拠点になってほしい」と期待している。 グルグルハウスは、埼玉県出身の造形作家である今井さんが「アートで地域を活性化しよう」と空き家だった日本料理店を改装し、2010年にオープンした。名前は「DNAのらせんや、人の輪をつなげていくイメージ」にちなむ。 1、2階のスペースで絵画や金工などの展覧会や、プロの音楽家のコンサートを開いている。 こうしたアーティストのほか、農業支援などに訪れる地区外の人から「宿泊施設があると便利なのだが」という声が寄せられ、農家民宿を始めることにした。2階にあった15畳と5畳の2部屋を客室に改装。それぞれ6人、2人が泊まれる。 10月下旬に営業を始め、1泊2食付き6600円の手頃な価格設定が人気を集めている。 12月7、8日には、千葉県船橋市の造形作家津田のぼるさん(77)が、グルグルハウスで開く個展の準備のために宿泊した。 津田さんは空き缶で作った高さ約2メートルの城を飾りながら「美術好きな人が多く、高柳はアーティストにとって隠れた名所。宿泊できるようになって、訪れやすくなる」と喜んだ。 同じ日にはプロ奏者のユニット「MINGLE(ミングル)」の小田島亨さん(70)とKaoさんも泊まり、コンサートを開いた。 柏崎市中心部出身の小田島さんは「高柳は可能性あふれる地域。演奏していて気持ちが良くなるような魅力がある」と語った。 高柳地区に移住してきた人たちとアーティストとの親睦会も開かれ、農家民宿が早くも交流の拠点になっている。 今井さんは農家民宿について「高柳への流入人口を増やすことにつながれば。口コミで広がっていけばうれしい」と話す。近くには国指定名勝「貞観(ていかん)園(えん)」や酒蔵、高柳じょんのび村もあり、地域一体で活性化につながる相乗効果を期待している。