阪急・石橋阪大前駅に「忘れられたホーム」がある謎 長らく大阪梅田~箕面間の直通列車が入線、今は役目を終えてひっそり
阪急の石橋阪大前駅は大阪府池田市にあり、宝塚本線と箕面線が乗り入れる分岐駅です。休日になると、箕面大滝などの観光名所へ向かうために、多くの観光客が宝塚本線から箕面線へ乗り換えます。 【写真・図版】空から見た石橋阪大前駅 使われなくなったホームの位置関係は ところで、石橋阪大前駅の駅構内を観察すると、使用されていない2つのホームを見つけました。主要駅にもかかわらず、なぜ石橋阪大前駅には使用されなくなったホームがあるのでしょうか。
阪急宝塚本線の主要駅、箕面線の分岐駅
石橋阪大前駅は箕面線の乗換駅であると同時に、大阪大学豊中キャンパスの最寄駅ということもあり、終日にぎわいを見せています。1日の乗降客数は約36000人であり、宝塚本線の中ではトップクラスの乗降客数を誇ります。そのため、特急日生エクスプレス以下、すべての営業列車が停車します。 一方、箕面線は石橋阪大前駅と箕面駅を結ぶ全長4キロの支線で、箕面駅は箕面市の玄関口としての役割を果たしています。3月23日に北大阪急行南北線が箕面萱野駅まで延伸しますが、長らく箕面線は箕面市に乗り入れる唯一の鉄道路線でした。
3号線ホーム、4号線ホームは使われない
さて、石橋阪大前駅は大変複雑な駅です。1号線ホームは宝塚本線下り(宝塚方面)、2号線はホームは宝塚本線上り(大阪梅田方面)です。そして5号線ホームは箕面線専用です。つまり、現在、石橋阪大前で使用中のホームは1号線ホーム、2号線ホーム、5号線ホームです。 ここで多くの読者は不思議に思うはずです。「3号線ホーム、4号線ホームはどこにいった?」と。実はこの3号線ホーム、4号線ホームこそが石橋阪大前駅で使用されていないホームです。 3号線ホーム、4号線ホームともに宝塚本線と箕面線を結ぶ接続線にあり、3号線ホームは箕面方面、4号線ホームは大阪梅田方面でした。2号線ホーム、3号線ホーム、5号線ホームは同一面であり、4号線ホームは離れ小島のように独立しています。各ホームとは地下通路でつながっています。 箕面線が乗り入れる5号線ホームには箕面の観光名所を紹介した箕面散策マップが設置されています。現在、箕面線は全列車が線内折り返し列車であり、石橋阪大前駅では5号線に入線します。 一方、3号線ホームと4号線ホームは営業列車が入線しないこともあり、ひっそりとしています。 4号線ホームにつながる地下通路は閉鎖され、4号線ホームに行くことはできません。 駅構内の案内表示を見ると、「2 大阪梅田方面 5 箕面方面」と記されていますが、3号線ホーム・4号線ホームの案内はありません。完全に忘れ去られた存在になっています。