阪急・石橋阪大前駅に「忘れられたホーム」がある謎 長らく大阪梅田~箕面間の直通列車が入線、今は役目を終えてひっそり
役目を終えた大阪梅田~箕面間の直通列車
長らく、3号線ホームと4号線ホームには大阪梅田~箕面間の直通列車が入線していました。箕面線沿線では開業時から宅地開発が行われ、1950年に梅田駅直通の準急列車が設定されました。 3号線ホームと4号線ホームは8両編成にも対応しています。実際に大阪梅田~箕面間の直通列車は宝塚本線と同じ8両編成で運行されていました。 大阪梅田~箕面間の直通列車は平日朝夕ラッシュ時に運行。準急の停車駅は1990年代半ばまで十三、三国、豊中からの各駅で、「準急=箕面線直通列車」というイメージが宝塚本線・箕面線沿線に根付いていました。 しかし、箕面線が通る箕面市西部では今後、少子高齢化により大幅な人口減少が見込まれ、箕面線自体の利用者も減少。現に箕面駅の1日乗降客数は約12000人で、もともと直通列車がない伊丹線の伊丹駅よりも少ないです。 2018年に梅田発箕面行き列車、2022年に箕面発梅田行き列車が廃止されました。つまり、箕面線沿線から大阪梅田駅へは石橋阪大前駅での乗り換えが必須となったのです。 それでは箕面線沿線~大阪梅田間の移動において、極端に不便になったかと言われるとそうでもありません。大阪梅田方面の平日朝ラッシュ時のダイヤを見ると、箕面線列車は石橋阪大前駅に到着約2分差で特急・通勤特急大阪梅田行きに接続します。 一方、平日夕ラッシュ時では急行宝塚行きが石橋阪大前駅に到着し、4分差で箕面行きに接続します。それぞれの所要時間は箕面駅から大阪梅田駅(平日朝ラッシュ時)が29分、大阪梅田駅から箕面駅(平日夕ラッシュ時)までが28分です。ちなみに、昼間は約25分ですから、昼間とラッシュ時で極端な差はありません。 もっとも、大阪梅田~箕面間の直通列車の最末期は普通のみでしたから、着席できる以外に目立ったメリットはなかったように思えます。阪急では直通列車の穴を埋めるべく、ダイヤを工夫しているのです。 箕面線では2026年春頃からワンマン運転がはじまります。先んじてワンマン運転を行う伊丹線と同じく、ホームに柵を設置します。 3号線ホーム、4号線ホームは臨時列車を除けば今後も使われないことでしょう。特に離れ小島的な4号線ホームの行く末が気になるところです。 (まいどなニュース特約・新田 浩之)
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