チュロス、チュリトス、チュロッキー…意外と知らない「棒状ドーナツの呼び名」がたくさんある理由
◆さまざまな呼び名が生まれていく経緯
日清製粉が1985年に「チュロス」の名前の商標権を取得しているため、日本国内では「チュロス」の名前をお菓子やパンに付けて販売することは、日清製粉と、日清製粉が許可する者以外はできません。 そのため、株式会社ジールハウスがアメリカのディズニーランドで販売されているチュロスを日本に輸入して販売するにあたって、「チュロス」の名前が日本では使えないため、「チュリトス」という名前で1991年に商標登録して販売しています。 ユニバーサル・スタジオ・ジャパンや映画館などでは、この「チュリトス」の名前で販売されているものを見かけることがあると思いますが、「チュロス」の次に日本で歴史がある呼び名はこの「チュリトス」です(映画館等は、上記の株式会社ジールハウスから仕入れているものと考えられます)。 その後、山崎製パンがコンビニなどでこのスティックタイプのドーナツを販売していくにあたって、「チュロス」「チュリトス」といった名前が使えないことから、「チュロッキー」という名前で1997年に商標登録した上で、日本全国のコンビニなどで販売しています。 以後、この棒状ドーナツを他のメーカーが販売などをしていくにあたって、次々といろいろな名前が生まれていきます。
◆実はもっとたくさんある棒状ドーナツの呼び名
皆さんはどのくらい知っていましたか? 筆者はほとんど知らなかった名前ばかりです。今回調べるにあたって、棒状ドーナツにこれだけたくさんの名前があることに驚きましたが、これらは商標登録されているもののみですので、商標登録されていないものも含めるとおそらくもっとたくさんの名前が存在していると思われます。 そして、今後新たに棒状ドーナツを販売するメーカーは、表にある名前と被らないようにしなければならないので結構大変です。 今後も商標権の関係で棒状ドーナツの新商品が販売されるたびに新しい名前が誕生していくと思いますので、そのような視点でこの棒状ドーナツを見てみると面白いかもしれません。
▼藤枝 秀幸プロフィール
大手IT企業などでSEとしてシステム開発などに従事した後、2009年に「藤枝知財法務事務所」を開業。以降、IT分野やエンタメ分野を中心に契約書業務や知的財産業務を行う。メディアや企業のコンテンツ監修なども手がけている。All About 弁理士ガイド。
藤枝 秀幸(弁理士・行政書士)