【新NISAでも期待】「高配当株ETF」の意外に知らない“落とし穴” 専門家おススメの3銘柄を紹介!
新NISA(少額投資非課税制度)で人気の「高配当株」。そのメリットを、より少ない金額から比較的手軽に得られると期待されているのが高配当株ETF(上場投資信託)だ。ただし、高配当株ETFにもいろいろある。また、ほかの金融商品と同じように、メリットばかりというわけでもなさそうだ。そこで投資する際の注意点や注目ポイントについて、専門家に聞いた。 【表】新NISAでも期待!専門家おススメの高配当ETF3銘柄はこちら! 高配当株ETFは、一般的に高い配当収入が期待できる株式(高配当株)を対象に投資するETFを指す。 個別株に投資する場合は、銘柄を選ぶのに手間や時間が必要だ。しかし、複数の銘柄に投資するETFなら、より少ない額で投資先を分散できるメリットがある。運用のプロであるファンドマネージャーが投資先の銘柄を選んでくれるからだ。 高配当株に投資するETFは、そうしたメリットに加え、高配当株から得られる高い分配金が期待できる。高配当株への投資で期待できる一番のメリットは、高い利回りだろう。高配当株ETFなら、それがより手軽な形で得られる可能性があるというわけだ。 しかも、ETFの分配金は、投資先から受け取る配当金などを原資とするルールがある。そのため分配金によって元本が目減りすることもない。 ■分散効果は意外と限られている ただし、一言で「高配当株」といっても様々だ。大型株もあれば、中小型株もあるし、業種や拠点のある国・地域なども違う。 高配当株ETFも、高配当株を選ぶ基準はそれぞれ異なる。投資先の企業や組み入れ比率なども、銘柄によって変わってくる。個別株を選ぶほどの手間はかからないとはいえ、きちんと調べる必要がある。 ファイナンシャルプランナーの横田健一さんは言う。 「高配当株ETFは、実は投資対象が特定の国や業種に集中する傾向があり、『世界株型』など非上場の投資信託に比べて分散効果は意外と限られています」
例えば、新NISAで人気の「eMAXIS(イーマクシス)Slim全世界株式(オール・カントリー)」(通称オルカン)の投資先は、先進国や新興国を含めた47カ国の2700社余りに上る。 これに対し、高配当株ETFは特定の国・地域に限られ、投資企業数も電力・ガス会社や製薬会社など数十社にとどまるものが多い。 「そもそも配当金が多い企業は、成熟段階にあることが多い。成長株に比べると、値上がり益も合わせた『トータルリターン』が低くなる可能性があります。また、企業からもらえる配当金を株価で割った『配当利回り』が高いということは、もちろん配当金が多い場合もありますが、業績不振などによってその企業の株価が下落や低迷しているケースもあり得ます。高配当株ETFを選ぶ際も、どんな基準で、どういった銘柄に投資しているかをきちんと把握しておく必要があります」(横田さん) ■外国為替の変動リスクや決済手数料も念頭に さらにほかのETFと同様、基本的には取引所が開いている時間に売買したり、「成り行き注文」「指し値注文」といった具合に注文方法を選んだりする必要がある。海外の市場に上場するETFを売買する場合は、外国為替の変動リスクや決済手数料も念頭に置いておくべきだ。 「自分で現地通貨に両替してから取引するか、それとも日本円でそのまま決済するかなど、両替の仕方によって手数料が異なる場合があります。また、配当金などに対する現地での課税分は、新NISAでも非課税にはなりません。取引する際には証券会社など金融機関にしっかり確認しましょう」(同)