35年の軌跡をたどる『CLAMP展』レポート。「絶対だいじょうぶだよ」など数々の名シーンを原画で堪能
『魔法騎士レイアース』『カードキャプターさくら』『xxxHOLiC』をはじめ、ジャンルを横断しさまざまな作品を世に送り出してきた女性4人の創作集団・CLAMP(いがらし寒月、大川七瀬、猫井、もこな)。活動35周年を記念して、その軌跡を辿る展覧会『CLAMP展』が、六本木・国立新美術館で開催されている。 【画像】『CLAMP展』の模様 本展では、1989年の商業デビュー作『聖伝-RG VEDA-』から最新作『カードキャプターさくら クリアカード編』までの23作品を網羅したカラーイラストをはじめ、漫画本編の原稿約800点が一堂に会した。そのほか、オリジナルの映像や体験型展示、描き下ろしのカラーイラストも展示。CLAMPの独自の世界観に浸れる構成となっていた。 会期は9月23日まで。展覧会をレポートする。
23作品のカラーイラストが一堂に会す
本展は、CLAMPの頭文字をピックアップし、「COLOR」「LOVE」「ADVENTURE」「MAGIC」「PHRASE」、加えて「IMAGINATION」「DREAM」の7つのエリアから構成されている。 はじまりの「COLOR」では、23作品のカラーイラストが一堂に会した。カラーインクをはじめ、コピック、リテックスやパステル、デジタルツールなど多彩な画材を使っているCLAMP。ここでは、絵柄や表現技法の変遷をじっくりと見ることができる。 2つ目のエリアは「CLAMPが描く愛」に焦点を当てた「LOVE」。このエリアでは、作品を横断しながら、愛にまつわるシーンの原画が集められた。例えば『xxxHOLiC』を展示した一角では、主人公・四月一日君尋が、次元の魔女・壱原侑子を慕って、とある決断を言葉にしたシーンに焦点が当てられていた。国立新美術館特定研究員・吉村麗は「CLAMPは多様な愛のかたちを分け隔てなく描いてきた。ぜひ好きなシーンを探してほしい」と話していた。
数々の名シーンを原画で見る喜び
3つ目のエリアはストーリーテリングに焦点を当てた「ADVENTURE」。代表作『聖伝-RG VEDA-』『東京BABYLON』『魔法騎士マジックナイトレイアース』『X-エックス-』『カードキャプターさくら』『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』の6作品の漫画本編の原稿を350点以上展示。モノクロ原画を読むように展示を見ることができる。 例えば『カードキャプターさくら』の展示では、数々の名シーンの原画が展示されていた。主人公・木之本さくらの口癖であり本作を象徴する言葉「絶対だいじょうぶだよ」を発する場面をはじめ、クロウカードの「鏡(THE MIRROR)」とさくらの兄、桃矢がやりとりをする場面や、「光(THE LIGHT)」「闇(THE DARK)」の初登場シーン、クロウカードの守護者、月(ユエ)との「最後の審判」のシーンなどだ。アナログ原稿で、ホワイトが盛り上がっていたり、多彩なスクリーントーンを使っていたり、見どころは満載だ。