二輪と四輪の“いいとこどり”「三輪バイク」。魅力とメーカーのこだわり
ハーレーにとっては念願の日本発売
今年2月1日、ハーレーダビッドソンジャパンから三輪のオートバイ「トライグライド ウルトラ」が日本で初めて発売され、すでに完売に近い状態で本国アメリカに台数の追加を要求しているそうだ。 その購買層は幅広く、20代前半の若者から、最年長は87歳だという。「これまでハーレーに触れたこともないという方に興味を持って頂いています。明らかに今までとはお客様の層が違いますね」と、広報部の山本ブライアンさんは明かす。 アメリカでは10年以上前から販売され人気の高い三輪バイクだが、生産量が限られていたことや、日本では規定が厳しかったことなどがあり、なかなか日本国内での発売ができなかったが、このほど技術的な微調整が整い、ハーレーダビッドソンジャパンにとっても初めて10年来の念願が成就した。 「トライグライド ウルトラ」は前輪1つに後輪が2つで、ふらつきが抑えられるため安定感がある。それが、年代を問わず気軽にバイクに乗ろうという気にさせてくれる。映画「イージーライダー」の世界を、自身で味わえるのだ。 何よりとっつきやすいのは、大型自動二輪免許を必要としない。これまでハーレーが日本で販売する製品は排気量883~1801ccの二輪車だったため、大型自動二輪免許を保有していないと運転できなかった。しかし「トライグライド ウルトラ」はマニュアル車の普通運転免許があれば、運転できる。 また大型バイクにはない電気制御でのバックができ、フットブレーキがあることも、大型バイク未経験者にも手軽な操作を実現している。二人乗りも可能であるし、収納スペースが多いので長旅だって楽しめる。 維持の面でも嬉しい。車庫証明、車検は必要ない。高速道路の料金もバイクと同じ金額なのだ。 オープンエア感覚で二輪の気分を味わいながら、四輪の安定感がある。二輪と四輪の“いいとこどり”が三輪バイクの魅力だが、ハーレーダビッドソンジャパンは、その先を期待している。「ターゲットを拡大できたので、今後はこの三輪をきっかけにして、二輪のバイクを検討して頂くと嬉しいです」と山本さんは期待を抱いている。