10年前から毎日、真玉海岸のごみ拾いを続けている松崎敏行さん

　大分県豊後高田市の真玉、香々地地区の海岸景観を守ろうと、同市臼野の「真玉海岸恋叶（こいかな）♥ゆうひテラス」内の飲食店主、松崎敏行さん（45）が活動の組織化を図っている。年内に両地区の関係者でつくる協議会を立ち上げ、始動する計画。松崎さんは10年近く毎日、真玉海岸の清掃を続けており、「活動の輪を広げてきれいな国東半島を次世代につなげたい」と話している。 　松崎さんは真玉地区出身。東京で約10年働いた後、2006年にUターンし、真玉海岸の海の家だった建物を改装して「ソバカフェゆうひ」を開いた。昨年4月、市が同店を建て替えて観光交流拠点とした同テラスに入居した。 　「日本の夕陽百選」に認定された同所は日没と干潮が重なると幻想的な景色が楽しめるロケーションで、多くの観光客でにぎわう人気スポットとなっている。 　松崎さんは子どもの頃から海岸に漂着するごみの多さが気になっていたこともあり、約10年前からボランティアでごみ拾いを始めた。干潮に合わせてごみを集め、市のごみ清掃工場に運んでいる。 　真玉海岸は地域の川などから流れ着いたとみられる生活ごみが多いのが特徴という。今夏の台風10号が通過した後は倒木などが多く漂着。交流サイト（SNS）で清掃への協力を呼びかけたところ、約20人が駆け付けた。 　ただ海岸線は長く個人での活動には限界があることから、両地区の事業者で組織する西国東商工会青年部に呼びかけ、海岸線の景観保護に取り組む「恋叶ビーチクリーン協議会」の設立準備を進めている。 　松崎さんは「眺めに感動する人は多いが、維持するために地元の人が努力していることを知ってほしい。地域が一体となって10年先、20年先も景観を保ち続けたい」と話した。