ランドローバーに「強敵」現る? タフな外観のミドルサイズSUV、新型ダチア「ビッグスター」登場
「手頃さ」を武器にしたC-SUV
ルノー傘下の自動車メーカー、ダチアが新型のミドルサイズSUV「ビッグスター(Bigster)」を欧州で発表した。同社にとってこれまでで最大のモデルとなる。 【写真】日産の親戚? 無骨な新型ハイブリッドSUVが登場【ダチア・ビッグスターを写真で見る】 (18枚) 競争の激しい欧州Cセグメント市場に進出し、手頃な価格を武器にシェアの確保を図る。プジョー5008、スコダ・コディアック、フォード・クーガといった主要ライバルを下回る3万ポンド(約585万円)以下の価格で来年発売される予定だ。 新型ビッグスターは、四輪駆動と「本物のオフロード性能」、そしてタフなエクステリアデザインを特徴とする。 張り出したフェンダー、シャープな印象のLEDヘッドライト、大径19インチのアルミホイールなど、骨太な外観を備えている。 ルノー・日産・三菱のアライアンスによる「CMF-B」プラットフォームを採用し、電動パワートレインに対応させた。 最上位モデルは「ハイブリッド155」で、最高出力108psの4気筒ガソリンエンジンに2基の電気モーター(出力50psの駆動用モーターと高電圧スタータージェネレーター)、容量1.4kWhのバッテリーを組み合わせる。ビッグスターは、ルノー・グループとして初めてこのセッティングを採用した。 6速ATを介して合計出力155psを発生し、これまでのダチアで最もパワフルな量産車となる。また、走行時間のうち80%をEVモード(電気のみ)で走行できるとされている。 続いて、最高出力140psの1.2L 3気筒ターボガソリンエンジンと48Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせた「TCe 140」と「TCe 130 4x4」があり、いずれも6速MTのみの設定だ。
頑丈で信頼できるツールとして
ダチアによれば、ビッグスターは「広さ、人間工学、快適性」を重視しているという。従来よりも厚いガラス、改良された防音パッド、シート、デュアルゾーン・クライメート・コントロールなど、CセグメントSUVを求める「顧客の期待に応える」装備機能が採用されている。 ハイマウントのダッシュボードには、中央に10.1インチのタッチスクリーンが配置され、スマートフォンのミラーリング機能が標準装備されている。 トランク容量は5人乗車時で667Lと、同クラスのプジョー5008やスコダ・コディアックと同等だ。 ビッグスターの発表について、ダチアのデザイン責任者であるデビッド・デュラン氏は次のように述べている。 「Cセグメントでは、目立つクルマが必要です。そのため、タフな外観を持ちながら広々としており、お客様にアピールする機能性も備えた、他とは少し違うクルマが良いと考えます。また、手頃な価格という当社のポジショニングとも相性が良いのです」 「我々はクルマを道具として使ってもらいたいと考えており、タフなデザインは理にかなっています。わたしは古いランドローバー・シリーズIIを持っていますが、わたしにとってはどこでも使える頑丈で信頼できる道具の好例です。このようなデザインは大好きで、当社のクルマにも取り入れようとしています。というのも、当社のクルマに乗っている人たちには誇りを感じてもらいたいからです。見栄えを良くするために必ずしも超高級車である必要はありません」 ビッグスターの英国での価格は約2万9000ポンド(約565万円)からで、最高価格は3万5000ポンド(約680万円)近くとなる。ルーマニアのダチアにとって、これまでで最も高価なモデルである。
サム・フィリップス(執筆) 林汰久也(翻訳)