纐纈洸翔、ヤングGP優勝 「後方ならイチかバチか内へいけ」師匠・鰐渕正利の教えに従い最内突き抜ける【静岡競輪】
◇28日 競輪 ヤンググランプリ(G2・静岡競輪) 纐纈洸翔(こうけつ・ひろと)(22)=愛知=が2分50秒7(上がり11秒8)で勝って、優勝賞金680万円を獲得。2着は中野慎詞(26)=岩手、3着には東矢圭吾(とうや・けいご)(26)=熊本=が入った。 迷いのない一瞬の判断だった。最終バックで、ナショナルチームの太田海也(岡山)と中野がもがき合う壮絶な展開。その上をまくろうと踏み続けるが、3角ではいっぱいの村田祐樹(富山)。纐纈は村田追走から一気に内へとハンドルを切ると、そのまま最内を突き抜けた。 「村田さんは1センターからいいスピードだったからいっちゃうかと思ったのですが、あおりを受けて苦しそうだった。外は間に合わないし、内へ行かせてもらった」。この進路選択をアドバイスしたのは師匠の鰐渕正利(65期)。「後方ならイチかバチか内へいけと言われていた」と感謝した。
愛知勢としては10年ぶりのヤングGP優勝。かつての優勝者には深谷知広、猪俣康一、近藤龍徳の名前が刻まれている。121期の卒記チャンピオンでもある勝負強さは持って生まれたものなのだろう。藤井侑吾(115期)以外に若手先行選手がなかなか育ってこない愛知にあって、纐纈は希望の光でもある。「愛知と言えば侑吾さんと纐纈と言われたい」。G戦線で活躍する先輩と共闘し、愛知を盛り上げていくことを誓う。 この優勝賞金の上積みにより来年5月に地元・名古屋で開催される日本選手権への出場は確実。G2優勝者として7月のサマーナイトF(玉野)は初日特選からスタートできる。ただ、この勝利は前を任せた村田が3角まで運んでくれたのが大きい。それだけに、手放しで喜ぶ姿はなく、気持ちを引き締める。 「自分が前で自力で戦っても、まだ歯が立たない。G1で自力で戦えるように底上げしたい」。日本選手権まで残された時間は4カ月。育ち盛りの22歳は、さらに強くたくましく成長して中部を引っ張っていく先行選手になっているはずだ。
中日スポーツ