【大学野球】明大・宗山塁も攻略に苦戦 東大サブマリン・渡辺向輝の巧みな投球
思考力が高い、練習の虫
海城高時代はオーバースローも、連投続きで「やむを得ず」と、肘を下げた。東大入学後はオーバーとアンダーで調整も、下手投げを選択。父は日本球界を代表するサブマリンとして、2度のWBC優勝も経験したレジェンドであるが……。「父の参考、マネはしていませんが、ムダを省いていくうち、結局は同じ形になった(苦笑)」。かつて「世界一低い」と言われた父のリリースに近づいている。 今夏は秋の先発を想定して週3回、1日200球の投げ込みを継続して、シーズンに備えてきた。「とにかく投げる筋肉、持久力をつける」。思考力が高い、練習の虫。「自分は野球エリートではない」という反骨心が支えでもある。167cm61kgが、神宮のマウンド上では大きく見える。いかにして、相手打者を抑えるか。努力と工夫を重ね、ここまで這い上がってきた。東大を勝利へと導く投手になる過程で、明大1回戦は大きなターニングポイントとなったはずだ。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール