興國が総体初出場!! 「一喜一憂できない」激しいチーム内競争が好循環を生み、全国切符獲得!!
[6.8 インターハイ大阪府予選準決勝 関西大一高 1-3 興國高 J-GREEN堺S1] 【写真】影山優佳さんが“人気女優”と代表戦を現地観戦「可愛すぎる」「勝利の女神が2人」 8日、令和6年度全国高校総体(インターハイ)大阪府予選の準決勝が行われた。関西大一高と興國高による第1試合は興國が3-1で勝利し、インターハイ初出場を果たした。 試合のペースは序盤から興國。関大一高が前からボールを奪いに来ると予想していた中、ブロックを敷いてきたため、DF的羽航人(3年)とDF國岡俊哉(3年)のCBコンビを中心に落ち着いてボールを動かしながら、機を見ては前方にボールを差し込んでいく。 前半11分には右サイドでボールを持ったDF久松大燿(3年)が中への侵入から前線にクサビ。FW芋縄叶翔(2年)のポストプレーを貰いなおして、ミドルシュートを放ったが、左ポストに嫌われた。22分にはFW乾悠人(2年)のスルーパスからMF樺山文代志(2年)がフリーでゴール前を抜け出したが、シュートは枠の外。「チャンスがあった中、仕留められないのがリーグ戦との違い。説明できないような雰囲気があった」。六車拓也監督がそう振り返った通り、全国行きがかかった大一番特有の緊張感によって、普段通りの得点力が出せないまま前半を終えた。 後半も流れは変わらない。後半3分にはDF高橋怜生(3年)からのボールを受けたMF安田光翔(2年)が左サイドを抜け出し、ゴール前にパス。ファーに抜けたところをMF宮崎優二(3年)が合わせに行ったが、ミートできない。 再三の決定機を生かせずにいると後半5分には粘り強く右サイドを運んだMF有田光希(2年)をPA内で倒し、関大一高にPKを献上。キッカーのMF梅原快(3年)に決められ、追いかける展開を強いられたが、興國の選手に動揺した様子は見られない。「今年は精神力が強い。点を取られても、僕らが点を取れなくても全員が点は入ると最後まで思っている」。そう口にするのは的羽だ。 失点直後の6分にはパワーのあるFW仲谷蓮斗(3年)を投入。これまで通り、テンポよくボールを動かしながらも力強さのある前線に入れる回数を増やしていく。13分に生まれた同点弾も中央で競り合った形から。こぼれ球を右サイドの高い位置で拾った久松がそのまま縦を仕掛けて、ゴール前にクロス。ファーサイドの芋縄が打点の高いヘッドで合わせて、試合を振り出しに戻した。 1-1で延長戦に入ると攻撃の勢いは更に加速していく。延長前半8分には高橋の左クロスをファーサイドのFW小笠原啓太(3年)が折り返すと最後はMF水野凪斗(2年)が頭で押し込み勝ち越しに成功。延長後半5分には中央をパスで崩すと、最後は仲谷のパスからFW地道碧(3年)が決めて、3-1で試合を終えた。 昨年のインターハイ予選後に就任してから、六車監督が拘ってきたのは選手同士の競争だ。基本的に平日の練習では、レギュラーメンバーで試合をせず、試合のギリギリまで誰が出るか分からない状態を作り、選手の配置もわざと白熱する選手同士をマッチアップさせて競争を煽ってきた。今の興國にはポジションが安泰な選手は一人もいない。「スタートの選手も、みんな一喜一憂できない。次の週にはまたステップアップした自分を見せるために頑張っているので、良い形の練習ができている」(的羽)。 今予選は最後の一年にかける想いを持った3年生が練習から意地を見せていたという。「全くひいき目に見ていないのですが、3年生は特別だと思う。練習でもギラギラしているし、“高校生活最後だから”という勢いやモチベーションを感じる」(六車監督)。ギラギラした選手にチャンスを与えてきたため、今予選は30人近い選手が試合に出場。掴んだチャンスを逃さないよう必死にプレーした結果がチームの勢いや勝利に繋がってきた。 この日、3点目を奪った地道は大会直前に引き上げられた選手。得たチャンスをしっかり物にし、チームに勝利をもたらした。インターハイまでの間も試合出場をかけたサバイバルは続く。265人の部員全員に全国大会の舞台に立つチャンスがあると言っても過言ではない。競争力を個人の成長、チーム力に変えて初のインターハイでも躍動するつもりだ。