日ハムが12年ぶり10連敗で連覇確率がゼロ%?!
日ハムが26日、ヤフオクドームで行われたソフトバンク戦に1-4で完敗。14日の楽天戦から始まった連敗が「10」となった。56歳の誕生日を白星で飾れなかった栗山監督にとって、就任以来、初のワースト記録となるが、球団としても2005年に11連敗を記録して以来、12年ぶりの屈辱。 前年度の優勝チームの10連敗となると、1976年に広島が11連敗して以来、41年ぶり。前年度の日本一チームの屈辱となると、さらに遡り、1961年の大洋の11連敗以来、56年ぶりのワースト記録となる。それほど連覇を狙うチームの連敗は珍しいのだ。 この日もMLBからの凱旋移籍後、初先発となった村田が、その立ち上がりに今宮の一発、内川のタイムリー、デスパイネの2ランなど、いずれもコントロールミスで4失点すると、もう跳ね返すだけの力は残っていなかった。ソフトバンクの先発、東浜の前に6回まで無失点、首位打者の近藤がいるが、打線がつながらない。7回に打率1割台と低迷するレアードの4号ソロで1点を返すのが精一杯だった。 チームの不振を象徴したのが、4回の中田翔の守りでのプレー。一死から甲斐の平凡なショートゴロを中島が処理して一塁へ送球したが、なんのことはない胸元付近の送球をポロっとこぼしてしまったのだ(記録はショートのエラー)。二死から連続四球で満塁になるなどピンチを迎えた。WBCの後遺症で肉体が悲鳴をあげて、内転筋を痛め、開幕直後に2軍落ちするなど苦しんでいる4番は、打率.167、ゼロ本塁打、1打点と、今なおトンネルを抜け出せないが、最低限の守りの仕事もできていないようでは、お先は真っ黒である。 10連敗の原因は、大谷翔平の不在に尽きるのかもしれない。チーム防御率は4.78と崩壊。開幕投手に指名された有原にまだ白星がなく4敗するなど、大谷に代わるエースがいないため負のスパイラルに陥ると歯止めが効かない。おまけに抑えのマーティンも故障で不在。まだ22試合といえど、首位・楽天とのゲーム差は12.5差と広がった。昨年は11.5差をひっくり返したが、デッドラインを越えた。 試合後、栗山監督は、「みんな一生懸命やっている。それを形にしてあげられないのは、こっちの責任」と、指揮官の責任論を繰り返した。球界の大御所で、元ヤクルト、西武監督の広岡達朗氏は、「指揮官たるもの敗戦を“自分の責任だ”と、毎試合、軽々しく口にすべきではない。やるのは選手。選手が責任が感じなければ勝てない」という監督論を語っていたことがある。栗山監督には、独自の哲学があって「オレの責任」と、負けるたびに口にしているようだが、それが10度も続くと言葉に重みがない。 不吉なデータもある。過去、シーズン中に10連敗以上をしたチームで優勝したチームはないのだ。1992年と2015年にヤクルトがシーズン中に9連敗をしながら優勝したケースはあるが、それも9連敗まで。前述した前年度優勝チームの10連敗のケースも大洋が最下位、広島が3位と、いずれも優勝を逃している。 優勝確率ゼロ%………この手のデータは、過去の歴史がそう物語っているだけで説得力のあるものではないが、栗山日ハムが連覇に向けて苦境に立たされていることだけは間違いない。2軍でリハビリを続ける大谷の復帰まで、どれだけ持ちこたえられるのか。