若さ迸る現役JKナナエが初監督した短編映画『やさしさのかけら』を、見逃すな!
【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】
ごめんなさい、現役JKというのは、嘘です。気がついたら大学生になってました。でも、撮影時はJKだったはずだからタイトルに偽りなしです。若者の成長の速さよ…。 今作の監督は、アイドルにモデル、インフルエンサー、女優と精力的に活動を続けているナナエさん。 筆者も監督作品や舞台作品に出てもらったり、共演したり節目節目で関わり合いのある彼女が、遂に「自分で撮ろう」と思い立ったそうです。 筆者も子役出身なので「いつかあのカメラの後ろに立ちたい」という気持ちはひどく共感しました。 あまり身内贔屓な記事は書きたくないのですが、先日ファッションショーの現場で偶然再会した時に「ねぇ、ナナ映画撮ったから観てよ」と言われ、中学1年生ぐらいから付き合いのある、ほぼ親戚のおじさんである筆者には、断る理由が見つかりません。 正直、作品のクオリティはまだまだ荒削りというか「高校の文化祭とかでよくみるヤツ」といったレベルなんですが、なかなか大人の男性には描けない世界観で、なんていうのかな、おっさんが撮ると「絶対にキモくなる自信がある」テーマを、女の子ならではの視点と、繊細さと、実はとても鋭いメッセージ性があって、楽しんで観ることが出来ました。 “ここから”なんですよね。1作目から最高に面白かったとしたら、それは「天才」じゃ、なくて「ラッキーパンチ」に、過ぎません。 1回目を越えたことで、見える景色が180度変わるので、今後は撮るときも演るときも、別の目線で学ぶことが出来るはずです。10代のうちにこの経験へ踏み出せたことは、かなり大きな財産となり、観客側からすれば「次は何をするんだろう」とワクワクする時間が増えることになります。 今のところ、アイドル映画to個性派映画no映画祭の12/22で、観られるそうなのですが、そもそも、数年前に観たこの映画祭で「自分も作品をこの映画祭に出したい」と、思ったことが制作のきっかけだそうで、それが実現したというバックストーリーもエモい。 どうですか、皆さんも親戚のおじさんに仲間入りしてみませんか!? 映画祭ではこういう出会いが結構あるし、一度に何作も観ることが出来るので、たまにはふらっと参加してみるのもオススメです。