電車内「防犯カメラ」義務化へ――三大都市圏や新幹線で 犯罪抑止への効果期待も…専門家「リアルタイムで送れないと効果半減」
日テレNEWS
国土交通省が9月にも、三大都市圏の車両や新幹線の全路線を対象に、防犯カメラの設置を義務付ける方針を固めました。相次ぐ電車内での事件を受け、検討してきました。リアルタイムに情報を送る機能は求められませんが、一定の犯罪抑止効果を望めそうです。
■新造の鉄道車両に設置義務づけへ
有働由美子キャスター 「現在の電車内の防犯カメラの設置率は、JR東日本(首都圏)と東急電鉄が100%、東京メトロは約60%、京王電鉄は87.3%、小田急電鉄(特急車両)は84%です」 「新しく車両が造られる時の防犯カメラの設置について、9月にも義務づけるという方針を国土交通省が固めました。なぜでしょうか?」
■背景は…電車内で相次いだ事件
小野高弘・日本テレビ解説委員 「電車内で事件が相次いだからです。2018年には東海道新幹線の車内で、なたで乗客3人が切りつけられ、一昨年は小田急線や京王線の車内でも、無差別に乗客が切りつけられたことがありました。その対策が議論されてきました」 「対象は、利用者の多い東京・大阪・名古屋の三大都市圏の車両と、新幹線の全路線です」
■「リアルタイム」機能は求めない方向
有働キャスター 「どのようなカメラなのでしょうか?」 小野委員 「録画機能は必須です。一方、リアルタイムで指令室に送るようなものはハイスペックなので、各社の費用負担を考え、今回は求めない方向です」
■東京メトロ「抑止に防犯カメラは必要」
有働キャスター 「防犯カメラがあるというだけで、痴漢やすりなどを防げそうですよね」 小野委員 「効果は期待できそうです。東京メトロは『乗客に危害を及ぼす恐れのある行為などを抑止するためには防犯カメラは必要』、東急電鉄も『カメラ設置により、電車内でトラブルが発生した際に、迅速な対応ができるようになった』としています」 「また、鉄道の安全政策に詳しい関西大学社会安全学部の安部誠治名誉教授は『カメラによって一定の抑止効果は期待できるが、リアルタイムに情報を送れないと効果は半減する。警備員の巡回などの対策も合わせて重要』と指摘しています」