井上尚弥いとこ浩樹が7回戦慄KO勝利でアジア王者“2冠“奪取もモンスターの助言が途中で止まった理由とは?
トップランク社と契約した平岡アンディ(23)の米デビュー戦で渡米していた大橋秀行会長は、この日、米国から帰国、成田から超特急で後楽園ホールに駆け付けギリギリ試合に間に合った。 「判定で終わるのと一発で倒すのでは評価が違う。僕は下手に打ち合わずに、きっちりと自分のボクシングが出来たのが強みだと思う。この階級は慎重さがないと通用しないから、そこは武器。井上家で持っているもの(才能)は一番。それをなかなか発揮できないでいるが、いつかブレイクしたときモンスターになると思う。これで世界ランクに入ると思うし、今後、トップランク社にも売り込んでいきたい」 今日3日に東京で始まるWBO総会でのランキング委員会で浩樹が世界10位以内に入るのは濃厚。大橋会長は、日本タイトル、あるいは、このベルトを返上させ(そのタイトルを平岡アンディが狙う)、世界挑戦へ向け力を蓄える準備に入らせたいという。 ちなみにWBO世界同級王者のホセ・ラミレス(米)は、WBCとの統一王者の“リアルチャンピオン”である。 「チャベスはダウンもKOもされたことがないと聞いていたので、それを倒したのは少し自信にはなる。前進はしたのかもしれない。今日の試合で(世界とは)言えない。今度からは世界を見据えて練習しないと通用しない。来年は勝負の年になると思う。チャンスがあれば自分よりも強い人とぶつかってみたい」 浩樹の発言に飾りっ気はなかった。 あえて、この試合についてのコメントを出すことを控えた井上尚弥は、控室の前ですれ違った“いとこ”に「おめでとう。明日から走るぞ!」と声をかけた。 井上兄弟と浩樹の3人は、神奈川・座間の自宅付近で、午前9時に集合してロードワークするのが日課。井上尚弥も「井上家で最も才能がある男」と断言する浩樹が、そのモンスターの背中を追いかけるスタート地点に立ったことは確かである。その才能の覚醒はいつになるのか。通算成績は15戦15勝(12KO)。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)