菜香亭20周年で歴史や魅力の継承誓う 記念式典に市長ら出席【山口】
山口市菜香亭の開館20周年記念式典は6日、天花1丁目の同施設で開かれた。伊藤和貴市長や入江幸江市議会議長、指定管理者の「歴史の町山口を甦(よみがえ)らせる会」の河野康志理事長ら計25人が出席し、山口ゆかりの政治家や文人が愛した料亭を前身に持つ施設の節目を祝い、その歴史や魅力を次代に伝えていくことを誓った。 料亭「祇園菜香亭」は1877年に八坂神社(上堅小路)の境内で開業。伊藤博文をはじめとする県出身の歴代首相がひいきにし、山口で初めて西洋料理を提供したといわれている。 1996年の営業終了後、利活用を求める市民の声を受けて2004年に現在地に移設・復元して開館。井上馨や佐藤栄作の書が飾られた大広間などを持つ。09年には安倍晋三元首相から「寂然不動」と揮毫(きごう)された書を寄贈された。17年のリニューアルで、歴史巡りの庭や多目的広場がオープン。着物や幕末志士、甲冑(かっちゅう)の体験、各種展示、貸館利用で親しまれている。 伊藤市長は「市民の文化活動や大内文化の史跡が数多く残る大殿地域の回遊拠点として、今後も魅力を生かした取り組みを行っていきたい」とあいさつ。同施設の歩みを紹介しながら河野理事長は「20年の歩みを振り返ると思い出が尽きることはない。菜香亭を拠点に市民と共に新たな歴史と文化を生み出していきたい」と話した。