「乳がん手術後 ブラジャー問題」勃発!? 私の涙ぐましい工夫をご紹介します【50代。乳がんサバイバーになりました】
擦り傷になるのは胸の谷間あたりの皮膚。夏はかゆみも!
私の乳がんは左胸でした。というわけで、3回の手術で結構がっつりとりました。 ふくらみが残っていないわけではありませんが、左側がかなり小さいです。 その結果どうなったか。 左の胸だけが小さいので、左だけカップが浮きます。浮いた状態で動くと、左のカップ部分だけが上や横に引っ張られて細かく動きます。 でも、固定されている右側はしっかり止まっているわけで、結果的にちょうど軸となる谷間のあたりの皮膚がブラジャーの布のふちにこすれて赤くなったり、擦り傷のようになってしまうのです。 特にしっかりしたスポーツブラなどだと、ホールド感がある分、素材も固めなのでより顕著にこすれが起こります。特に夏は、ここに汗がたまると本当に本当にかゆい! 傷になるとなかなか治らないことも悩みの種です。
擦れないように市販の下着と着こなしで工夫
乳がんの手術をした人向けの前開きのブラジャーなどの商品もいろいろ市販されています。 でも正直、デザインも色合いもあんまりかわいくない。私だけかもしれませんが、いかにもな下着はやっぱりあまり食指が動きません。 というわけで、できるだけ普通のブラジャーで対応したいと思い、あれこれ工夫しています。
乳がん手術後のブラ選びの工夫
例えばこんな感じです。 1.カップ付きのブラキャミやブラは柔らかい素材で、アンダーのゴムがないものにする よくある、アンダー部分のワイヤーやゴムなどが胸をホールドするようなデザインのもの。ブラジャーでもブラキャミでもありますよね。実はこのタイプは、通常のバストを残している人、つまり胸にひっかかりがあれば安定するのでしょうが、私のように片方だけが小さいという状態だと、上に引っ張られてむしろこすれる原因になるようです。 つまり、安定感とかホールドというタイプはだめで、ふにゃふにゃのほうがいいってことになります。素材もできるだけ柔らかくて、こすれても痛くないもの厳選。寄せて上げてなんていう商品は論外です。 2.意外とチューブトップが快適 ブラが動いてしまう理由は、左右のカップの差なのですが、一番の原因は上でも書いたように、肩ひもで上に引っ張られるから。 つまりチューブトップだとそれがないので、そこまで動きません。バストトップを隠すだけなら、これで十分です。 3.ジャンパースカートも素材を選べば ノーブラOK オールインワンとかでもいいのですが、胸の部分が覆えるデザインの服であれば、Tシャツの上に着てしまえば割とノーブラでいけちゃいます。 薄い素材だといろいろ心もとないのでお勧めしませんが、最近はやりのパラシュート生地などであれば、体のラインを拾わないのでほとんど見た目でわかりません。 4.レース素材は避けたほうが無難 こすれやすい生地といえば、やはりレース素材はアウトです。どうしてもちくちくするし、こすれると傷になる率も高いです。かわいい下着がよいなら、レースよりプリントとか色で遊ぶほうがおすすめです。 ちなみに乳がん患者向けによくいわれている、片方にバッドを入れるという方法ですが、私の場合はあまり安定せず、カップがふわふわ動いてしまう現象は変わりませんでした。 たぶん、1や2で説明した通り、アンダーが固定できてカップ部分のずれがない人なら大丈夫なのでは、と思うのですが、上にずれる私のようなタイプには、難しいかもしれません。 いかがでしょう? 私は再建手術を選ばなかったわけなので、ある程度見た目についてはあきらめるにしても、痛みや不快感はやはりできる限り軽減したいですよね。 私の工夫が少しでも参考になりますように。快適な夏を過ごしましょう!
文/hijiri 都内在住の50代会社員。2019年5月に乳がんと診断される。仕事を続けながら10月までに3回にわたる手術を経て、2020年1月に放射線治療が終了。現在は、10年間にわたるホルモン療法薬の服薬を継続、年に一度の検診で経過観察中。放射線治療中も継続したランニングの趣味が高じて、ランニングアドバイザー、スポーツ医学検定2級、ナヴィゲーションスキル シルバーレベル等の資格を持つ。「琉球茶道ぶくぶく茶」東京分室主催。2019年よりOurAgeにて連載「50代。乳がんサバイバーになりました。」を執筆中