金谷拓実、「ゴルフでうれしくて泣いたのは初めて」と男泣き 世界の舞台で戦う日本勢に期待【武川玲子コラム】
◇「ゴルフ米ツアー見聞録」 山下美夢有、岩井明愛・千怜姉妹ら5人が通過した米女子ツアーの最終予選会に続き、男子米ツアーでも金谷拓実が最終予選会で3位に入り、来季の米ツアー出場権を見事に獲得と日本勢の活躍が際立つ12月となった。男子は上位5位までという”超”狭き門。金谷は最後のパーパットを沈めると「本当に苦しかった。うれしい…。それだけです」と声を詰まらせた。 金谷は前週の2次予選では、初日の前半9ホールで41とまさかの大たたき。「7ホールで7オーバー。でも、やり続ければまだチャンスはあると諦めなかった」と2日目は起死回生の63をマーク、2次を突破して最終予選会へとつなげた。 米ツアーが、PGAツアーへ直接通過する予選会を復活させたのは昨年のこと。2013~22年は「まずは下部ツアーで経験を積むことが大事」と予選会からは下部のコーンフェリーツアーへの出場権のみが付与された。13年にプロ転向したジャスティン・トーマス(米国)はちょうどこの時期で、1年間下部ツアーで戦ってからPGAツアーへ昇格と少し時間をかけることに。それが昨年から人数は少ないながらも直接米ツアーへの道が再開、日本勢にとって道が開かれた。 アマチュア世界ランキング1位につくなど活躍した金谷は、プロ転向後も注目を集めた。メジャーや米ツアーに推薦で出場したが「うまくいかないことが多かった。こんなに難しいんや、とつらい思いをして帰った」と、苦しい表情でコースを去る姿を何度も見た。それでも「諦めずに頑張っていれば必ずチャンスはある」と今回の通過につなげ、「ゴルフでうれしくて泣いたのは初めて」と男泣きだった。 来季の米男子は松山英樹を筆頭に久常涼、欧州ツアーから出場権を得た星野陸也、下部から昇格した大西魁斗と金谷の5人が参戦、惜しくも米ツアーに届かなかった平田憲聖は下部ツアーで戦う。女子は総勢13選手、来年は男女ともに世界の舞台で戦う日本勢に期待。(全米ゴルフ記者協会会員)
中日スポーツ