「強権」を続けるしかないプーチン大統領の「劣等感」と「恐怖心」
外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が3月19日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。ロシア大統領選で過去最高の得票率で勝利したプーチン大統領について解説した。 【写真】大統領選の選挙運動代理人らを前にあいさつする、プーチン大統領
ロシア大統領選挙、プーチン氏が過去最高の得票率で圧勝
3月15日から17日にかけ投票が行われたロシア大統領選挙は開票率99%以上の時点でプーチン大統領が約7600万票を獲得し、得票率87%超とロシア大統領選挙で最も高い得票率で勝利した。 飯田)投票率は18日の時点で77.44%だそうです。 宮家)おめでたいことですよね。あの大きな国で5回も続けて勝てるものではないです。二十数年も独裁を続けるのは並大抵のことではありません。 飯田)スターリン超えだという新聞の見出しもあります。
西側への憧れが強いプーチン大統領
宮家)習近平さんも祝電を送ったそうですし、実は私もお手紙を書きました。「おめでとうございます。大変でしたね。予想通り得票率が9割近くになりましたね。でも、これで本当にロシア国民は幸せなのですか?」というような感じで、とても丁寧に書きました。それが21日の産経新聞に出ます。 飯田)産経新聞で連載されているコラム「宮家邦彦のWorld Watch」ですね。 宮家)「あわれプーチン」ですよね。彼は私より1歳年上なのですが、ドイツのメルケル前首相は私と同い年です。我々の世代から見ると、冷戦終了前は東ドイツにメルケルさんがいて、彼女は科学者から政治家になりました。同じ時期にプーチンさんはKGBの工作員として東ドイツにいて、冷戦後はロシアのトップになっています。だから彼はドイツ語とロシア語が話せるのです。でも、メルケルさんは長くドイツの首相を務めて退任しましたが、プーチンさんはまだ続けているのですよ。各国で世代交代が起きていますよね。起きていないアメリカのような国もありますが、基本的にヨーロッパでは世代交代しているわけです。どちらもすごい政治家だと思いますが、プーチンさんを見ていると前時代的と言うか、「あれしかできないのか」と感じますよね。 飯田)全体構造を維持するため、トップにずっと同じ人が君臨する必要があるのはなぜか。 宮家)いろいろ考えたのですが、やはりロシアは西側、西欧世界への憧れが強く、憧れの塊のような人たちなのだと思います。