海外展開巧者「サカタのタネ」、大台超えなお勢い止まらず
果菜類の大産地であるメキシコ・クリアカン市の農場。約14ヘクタールの敷地面積を活用した研究拠点を開設した(写真:サカタのタネ)
花と野菜種子で世界上位の種苗メーカー・サカタのタネ(1377)が海外での卸販売好調により過去最高の好業績を謳歌している。前2022年5月期は期初に公表した見通しと比べて、売上高が11.4%、営業利益が53.2%上振れて着地し、初の営業利益100億円の大台に乗せた。 今2023年5月期の売上高は前期比6.8%増の780億円、営業利益は同1.1%の113億円と微増益を見込む。10月7日発表の第1四半期(6~8月)業績は、売上高が前年同期比8.3%増の177億3600万円、営業利益が同25.6%減の24億6700万円と出足は鈍かった。 「トマト種子の売り上げ計上がエジプト外貨規制の影響などで遅れたこと、出荷調整したヒマワリの反動減もありスロースタートとなった。海外の人件費、活動再開による出張費など経費が増えた。ただ従来、上期(第2四半期累計)の営業利益は前年同期比5.1%減の54億円と公表しており、第2四半期(9~11月)の販売が想定どおり進捗すれば、通期の数値は十分達成可能と考える」(星武徳執行役員経理部長)。 また、前期と同様に会社が想定している1ドル133円、1ユーロ140円という為替水準よりも円安で推移しており、残り9カ月間にトマト種子の販売出遅れをじっくり挽回すれば、売上高と営業利益が上振れ着地する可能性は十分残っている。
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古庄 英一