やっと決まった認知症84歳父の老人ホーム。入居後「まさかの退去勧告」が来たらと思うと不安です……。【ケアマネ助言】
53歳サラリーマン男性、専業主婦の妻と二人の子どもがいます。同居中の実父(84歳・要介護3)の認知症の症状が悪化してきまして……。 【一覧表】老人ホームから退去を求められる可能性がある「4つのケース」はこちら 連日の「物盗られ妄想」「徘徊」「暴言」などの問題行動で、妻が体調を崩し心療内科を受診する事態に。急いで民間の介護付き有料老人ホームへの入所を決めました。 でも、入居後症状が悪化し退去勧告を受けたらどうしようと不安です。頑固で怒りやすく、足腰は元気。在宅介護ができるとは到底思えません……。 いったん入所した老人ホームを追い出されることがあると知り合いから聞いて気が気ではありません。実際どうなんでしょう。 ケアマネジャーの筆者のもとに、こんなお悩みが寄せられました。 有料老人ホーム入所後に認知症の症状が進行し、退去を求められることに不安に感じておられるのですね。 老人ホームでは契約書に定められた退去事由に該当する場合、退去を求められることがあります。しかし、すぐに退去を求められるケースはほとんどありません。 退去勧告を受けた場合でも、90日程度の猶予期間が設けられていることが一般的です。 今回の記事では、老人ホームで退去を求められるケースや万一、退去を求められた場合の対応方法について解説していきます。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
老人ホームは必ずしも「終の棲家」ではない
「老人ホームに入居したら、最期まで介護してほしい」これはご家族の本音だと思います。「自宅介護が難しいから施設入居したのに、退去なんて考えられない」そう思われるのも当然です。 しかし老人ホームも万能ではありません。 老人ホームでは、他利用者への迷惑行為があったり高度な医療が必要になったりした場合、通常の介護では対応できず退去を求められることがあるのです。 これらの退去条件については、契約時に施設側が詳しく説明する義務があります。入居の際には、入居契約書や重要事項説明書についての説明を必ず受けましょう。