プーチン大統領の“実は…”に迫る 遅刻魔、独演会、番記者…意外な素顔も?
■「プーチンカレンダー」の“忖度(そんたく)”
日本ではまず見ない光景として、毎年秋に書店に並ぶ「プーチン・カレンダー」がある。12か月すべてがプーチン大統領の写真で占められている。製作しているのはカレンダー製作会社、新聞社、出版社で、一部300~800ルーブル(約470~1250円)と高くはない。販売案内には「関係者への贈り物にどうぞ」と書いてある。 大統領選を控えた2023年度版は「サングラス姿」、「柔道着姿」、「市民との歓談」など、いずれも“強さ”と“庶民性”を強調した写真が採用されている。「ウクライナ侵攻」に関する写真はない。果たして、この写真は誰が選ぶのか。大統領府なのだろうか…? 製作したサンクトペテルブルクの出版社に聞いてみたところ「大統領府が関与しているわけではない。公開された写真ライブラリーから選んでいる」というが、「古い写真を使う」のだそうで、71歳になったプーチン大統領への忖度(そんたく)が、そこに働いているようだ。
■“プーチン死去”情報と“影武者”報道
プーチン大統領の健康問題は関心の的であることは間違いない。大手メディアが報じることはないが、ネットには時々、そうした情報も流れる。23年10月26日には、ロシアでも閲覧できるフォロワー45万人のテレグラムに「プーチン大統領が自宅で死去。医師は蘇生を中止した」というのもあった。これにイギリスの大衆紙「ザ・サン」が食いつき、その後姿を見せたプーチン大統領について「生き返ったといううわさがロシア中を駆け巡っている」と“影武者”疑惑を展開した。 確かに、毎日のようにテレビで演説するプーチン大統領が23年1月は一週間程度、姿を見せなかったことはある。この1年は、演説中によく“せき払い”もしていた。23年6月には感染症を極端に警戒する大統領が突然、南部ダゲスタン共和国を訪問し、民衆の中で写真に収まる行動に出た。今回の“死亡説”と“替え玉”疑惑の発端である。 ただ、大統領府は余裕の表情だ。ペスコフ大統領報道官は11月の講演会で「専門家は“影武者”は3人なのか4人なのか、と推測しているけれど、けさの式典に出たプーチンが、“影武者”の3人目なのか4人目なのか、それはわかりませんね」と笑い飛ばした。 プーチン氏は24年3月17日、通算5回目となる大統領選挙に臨む。当選して6年の任期を全うすれば、77歳。それでも、現在81歳のアメリカ・バイデン大統領より、まだ若いのだが…。