プーチン大統領の“実は…”に迫る 遅刻魔、独演会、番記者…意外な素顔も?
■唯一、大統領に密着できる「ザルビン記者」とは?
ところが、このプーチン大統領の動向を事前に完全に知っているとみられる記者が1人だけいる。国営「ロシアテレビ」記者のパベル・ザルビン氏だ。42歳。地方出身で大学卒業後すぐに国営放送記者となり、2018年から番組「モスクワ・クレムリン・プーチン」のリポーターを務めている。執務室にも出入りが許されているようで、ロシアでは知られた存在である。 ちなみに、彼がリポーターを務める番組「モスクワ・クレムリン・プーチン」は、毎週日曜「夜11時頃」放送される。プーチン大統領の一週間をまとめた45分程度の番組で、登場するのは、ほぼプーチン大統領1人だ。この番組の大統領インタビューを国営メディアが速報することすらある。ザルビン記者のみが知り得ることがあるのである。
■毎日、テレビに登場! 4時間超の記者会見も…
そんなプーチン大統領は、ほぼ毎日、どこかで挨拶か演説をしている。国営ニュースチャンネルは、それを必ず放送する。“毎日プーチン”状態だ。 実は、この演説は毎回かなり長い。日本のニュースで扱う場合は10~15秒に編集せざるを得ないのだが、実際には20分から1時間半以上も話しているのも珍しくない。大統領選挙が告示されてからも変わらない強力なPR活動だ。 ただ驚くのは、メモを手にしながらとはいえ、とうとうと話し続けることである。日本の政治家でここまでできる人を知らない。23年12月14日に開いた「国民直接対話」と「大規模記者会見」の合体イベントは、実に4時間3分話し続けた。これまでの最長記録は、2008年の4時間40分。プーチン大統領は相当な雄弁家である。
■自慢の高級国産車「アウルス」…黄金のロシア
話は横道にそれるが、冒頭でお伝えしたプーチン大統領自慢の公用車「アウルス」についても紹介しておきたい。大統領は以前、「メルセデス・ベンツS 600ガードプルマン」を公用車に使っていたが、18年5月7日の大統領就任式から「アウルス・セナート・リムジン」に替えた。 「アウルス」はロシアが威信をかけて開発した高級国産車ブランド。大統領公用車には防弾ガラスはもちろんのこと、パンクしても、時速60キロであればそのまま80キロ走り続けることができるタイヤも装着している。車重は約6トンで一般車の3倍以上。説明によれば「他のクルマよりも安全」なのだとか。23年9月には、極東を訪れた北朝鮮の金正恩総書記に「これが我々のアウルスだ」と自慢している。