ヤクルト・小川泰弘、1カ月遅れ開幕白星 燕のエース帰ってきた!7連勝中の虎止めた!スクイズも決めた!「いいスタートが切れた」
(セ・リーグ、阪神2-8ヤクルト、4回戦、2勝2敗、26日、甲子園)エースが帰ってきた。上半身のコンディション不良で開幕前に離脱していたヤクルト・小川泰弘投手(33)が先発で今季初登板し、7回5安打2失点の好投で初勝利。表情を緩め、勝ち星の味をかみしめた。 【写真】7回、スクイズを決めるヤクルト・小川泰弘 「復帰してすぐチームも勝ったし、自身にも勝ちが付いていいスタートが切れた」 悔しさの分だけ喜びも大きかった。プロ12年目の今季は開幕投手の最有力候補と目されながら、3月上旬に右肘を痛めて戦線を離脱。ノースロー調整も味わい、「焦る自分もいたけど、何とか抑えた」と黙々と1軍のマウンドを目指してきた。 約1カ月遅れで迎えた〝開幕戦〟。磨いてきた打ちづらい直球で攻めた。最速は142キロだったが、今の小川は「球の質」を追い求める。体重移動時に微妙なズレを作ってタイミングをずらし、球速と体感速度に差を生んだ。一回、1番・近本への初球はいきなりクイックモーションで投げるなど、抑えるための工夫を重ねた。 味方の援護を受け、序盤からストライク先行で四回2死まで完全投球。森下にソロを被弾、五回に代打・糸原に中前適時打を浴びたが、最少失点で切り抜けた。92キロのチェンジアップも使った熟練の投球を見せた。 リハビリ期間も進化を求めてきた。機能が弱まり、負担がかかっていた箇所を中心にトレーニングのメニューを改善。肩甲骨を体の内側に寄せて可動域を広げるエクササイズ「スキャプラ・プッシュ・アップ」を導入。肘の神経につながっている指に負荷をかけるため、柔らかいボールを握る動作を繰り返した。 依然リーグ最下位だが、2連勝で浮上の気配が漂う。「チームに良い影響を与えられるように自分の投球を続けていきたい」と小川。何より背番号29の帰還が心強い。(赤尾裕希) ★勝利呼ぶ2打点 帰ってきたエース・小川は、打撃でも勝利を呼び込んだ。四回無死満塁では押し出し四球を選び、六回無死一塁では投前犠打を成功。七回1死一、三塁ではスクイズを決め、1打数無安打ながら2打点を挙げ「バントで流れを切らないというのは投手の大事な仕事だと思うので良かった」とうなずいた。この日は6番以降で流れを作って加点し、高津監督は「こういうつながりのある打線を目指しています」とたたえた。