沖縄コスメLIST.2 「フローモ」元・大手日用品メーカー研究員が、沖縄の自然の恵みに感化されて開発
――:確かに敏感肌には精油は刺激が強すぎる気がしますが、月桃は大丈夫、というか、むしろ肌に有効なんですね。そして「フローモ」にはもう一つ、“2830(にーはちさんぜろ)”というラインがありますね。こちらのライン名の意味は?
石渡:“2830”は月の満ち欠けの周期である28日と、ミツバチの平均的な寿命である30日の数字を組み合わせたものです。沖縄では中国の影響から旧暦文化が根付いていて、旧正月や旧盆など大きなイベントもあります。また、地元の方からは「満月の時に子どもがよく生まれやすい」とよく聞くこともあり、体内リズムを自然な状態に整えようという思いをこめてライン名にしました。また、ミツバチについては月桃化粧水を作った頃からハチミツの薬理作用に注目していまして。特に沖縄には“タイアワユキセンダン草”というキク科の野草があらゆる場所に自生しているのですが、この花を蜜源にしたハチミツには一般的なハチミツにはない、肌にいいビタミンB6・B7やポリフェノールなどが検出されたこともあり、このハチミツやミツロウがブランドのスター成分に相応しいと思い採用しました。
――:だから、ショップの隣に養蜂箱があったのですね! ミツバチがぶんぶんと元気に飛んでいました(笑)。
石渡:自社でハチミツも用意しようと、いまは巣箱を20箱ほど管理しています。スキンケアに配合するハチミツであれば充分な量を採取できています。
――:ハチミツや月桃のほか、県産のオリーブオイルや植物オイルも積極的に活用されているそうですね。
石渡:はい。県内の農家などで破棄されている素材のアップサイクルにも取り組んでいます。その活動が認められ、沖縄特産のみかん「カーブチー」と月桃を用いた天然バーム“Fofo ビーバーム”は、サステナブルコスメアワード2021にてブロンズ賞を獲得することができました。
――:SDGsにも意欲的に取り組まれていますね。
石渡:養蜂もそうですが、これからも県内で作られている素材を有効活用することで、サーキュラーエコノミーに貢献するような化粧品づくりを心掛けていきたいと考えています。