フランスで最も飲まれているワインTOP10とは?
ワインスノッブにならないために
「山あり谷あり、うれしい驚きあり、得るところはおおいにあった」これが、フランスで最も飲まれているワインTOP10のテイスティングをした感想だ。皆さんにもぜひ試飲をお勧めする。(※編集部註:本記事はフランス「FIGARO VIN」の翻訳記事です。紹介するワインのうち、日本に流通していないものも含まれます。) このランキングはフランス人の嗜好についてどんなことを物語っているのだろうか。それを知るために私たちは素直にテイスティングという崇高な行為に身を委ねた。その結果は予想以上に納得のいくものだった。確かに最高級のワインとは違う。だがブラインドテイスティングをすれば、もっと高いワインとも遜色のないものもあった。知ったかぶりの「ワインスノッブ」と言われないためにも、ワイン好きの人にはぜひ、これらのワインをテイスティングし、フラットな評価をすることをお勧めしたい。 調査方法:この記事で言及されている数字は、ワイン消費市場の調査と分析を専門とするロンドンのコンサルタント会社WIが実施した調査に基づいている。各ブランドのキュヴェの選択は、パリおよびフランス各地方のスーパーマーケットおよびハイパーマーケット・チェーン数社を対象とした調査による。 (※編集部註:日本円の表記は、編集部調べの国内流通価格です。)
10位 ベルナール・マグレ - レ・ピエール・フェンドゥ 2021
産地:ラングドック・ルーション 価格:6.89ユーロ 2023年、ベルナール・マグレは見事、12.4%アップで順位を3つ上げ、トップ10入りを果たした。実のところどのキュヴェがこの急上昇の原因なのかの情報を正確に得ることができなかった。そこでIGPペイ・ドックのワインで、入門レベルのレ・ピエール・フェンドゥを取り上げることにした。メルローとシラーのしっかりしたブレンドで、その出自からすると驚くほど飲みやすく軽い。
9位 JP シェネ - ペイ・ドック カベルネ・シラー 2022
産地:ラングドック・ルーション 価格:9ユーロ(※実勢価格¥1,600、編集部調べ) 1980年代半ばからグラン・シェ・ドゥ・フランスによって生産され、特徴的な傾斜ネックのボトルで知られるJPシェネは、4.8%のアップでトップ10に返り咲いた。テイスティングでは木樽熟成ばかりの中で、ステンレススチール熟成が、ほんのひととき、安らぎを与えてくれた。香りは黒い果実よりも甘草が優勢で、味わいはややドライ。もっと丸みがあるとうれしい。