「2次元で描く理由も強烈」「トラウマだけど必見」 世界の現実を描いた衝撃アニメ映画
厳しい時代を生き抜く女性が主人公の海外アニメ映画
●離ればなれになった家族と当時の過酷な状況を描いた作品『FUNAN フナン』 2020年に日本で公開された『FUNAN フナン』(監督:ドゥニ・ドー 脚本:ドゥニ・ドー、マガリ・プゾル、エリーゼ・トリン)は、1975年以降のカンボジアを舞台に、息子と離ればなれになった母親の日々を描いた長編アニメーション作品です。監督自身の母親の体験をもとに作られた映画で、素朴な絵柄のアニメーションで歴史の暗部が描かれます。 主人公「チョウ」は、夫の「クン」、息子の「ソヴァン」、その他親戚とともに穏やかに生活していました。しかし、1975年に「ポル・ポト」を中心とする左派勢力「クメール・ルージュ」が政権を打倒すると彼らの生活は一変し、革命軍によって都市からの強制退去を命じられます。そして都市からの移動中、チョウたちはソヴァン、祖母とはぐれてしまい、彼らを探す過酷な日々が始まるのでした。 個人の視点から過酷な歴史を描いた本作には、直接的な描写はないものの、登場人物が飢餓やクメール・ルージュの兵士の手によって次々と死亡していく残酷な展開が描かれます。 ネット上では、アニメーションで描いたことで、残虐なシーンが苦手でも観られたといった意見もあった一方、「自分や家族を守るため他人をだしにする展開が辛い」「誇りを捨てて仇のほどこしたご飯にかぶりつくシーンなど、あまりに苦しかった」など、衝撃的な内容に精神的にダメージを受けた人も多かったようです。
LUIS FIELD