サムスン電子株、半年ぶり大幅上昇-エヌビディア調達計画の報道で
(ブルームバーグ): 米半導体メーカー、エヌビディアが人工知能(AI)プロセッサーの重要部品である高帯域幅メモリー(HBM)を韓国サムスン電子から調達する計画だと日経アジアが報じたことを受け、20日の韓国株式市場でサムスン株は一時、ここ6カ月余りで最大の上昇を記録した。
同報道により、サムスンがAIという重要分野でリードするSKハイニックスとの差を縮めるとの投資家の期待が高まった。
サムスン幹部は20日の年次総会で株主に対し、HBMへの投資などを通じて2、3年のうちに半導体世界首位の座の奪還を目指すと語った。HBMはエヌビディアが特化するAIアクセラレーターとの動作に最適とされる。同幹部によると、半導体市場の低迷が終息に向かい始めていることから、サムスンの半導体事業は今年、2022年の水準まで回復する見込み。
日経アジアによると、エヌビディアの創業者で最高経営責任者(CEO)のジェンスン・フアン氏は記者団に対し、同社はサムスンもHBMサプライヤーとする計画だとし、「SKハイニックスおよびサムスンとのパートナーシップを極めて高く評価している」と語ったという。この報道を受け、サムスンの株価は一時6%高を付けた。
CLSAの韓国調査責任者サンジーブ・ラナ氏は「サムスンがエヌビディアの最新チップへの『HBM3E』供給を認められる可能性は非常に高いとわれわれはみている」とし、「エヌビディアのGPUに対する需要は非常に旺盛だが、ハイニックスとマイクロンのHBM製造能力が限られていることを考えると、エヌビディアが強い需要に対応するには別のサプライヤーに頼らざるを得ない可能性が非常に高い」と指摘した。
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原題:Samsung Jumps Most in Six Months After Nvidia CEO’s Backing (2)(抜粋)
--取材協力:Shinhye Kang、Vlad Savov.
(c)2024 Bloomberg L.P.
Yoolim Lee, Sangmi Cha