「顔」を奪われたガザの10歳少女 イスラエル軍の砲撃に巻き込まれ、全身の35%にやけど
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10歳のハナン・アケルさんはある日、避難先の難民キャンプを散歩していたところ、イスラエル軍の砲撃に巻き込まれた。ハナンさんは全身の35%に火傷を負い、一部は最も重いⅢ度に達していた。主治医によると、より高度な設備が整った病院で緊急治療が必要だが、イスラエル軍が南部ラファにまで攻撃範囲を広げて以来、エジプトとの国境は閉鎖されており、ハナンさんは痛みに耐えながら日々暮らしている。 「娘は月のように美しいと思っていた」――ワラ・アケルさんは、10歳の愛娘についてそう語った。「この世に彼女より美しい人はいないと思っていた」 娘のハナンさんが顔に負ったひどい火傷は、ガザにおけるイスラエルの軍事作戦が老若男女を問わずパレスチナ人に大きな傷を負わせていることを示している。 ワラさんによるとハナンさんは、家族が避難していた難民キャンプを散歩中にイスラエルの砲撃に巻き込まれたという。ハナンさんは、イスラム教最大の祝祭の1つであるイード(犠牲祭)の期間中、病院でⅡ度―Ⅲ度の火傷の治療を受けなければならなかった。 ハナン・アケルさん 「こんなのイードじゃない。友達と遊んで幸せな気分になるはずだった。ブランコで遊びたかった。でも私は難民キャンプに行った。それが私の運命だった」 母親のワラさんによると、ハナンさんはかつての自分の顔を写したビデオや写真が見たいとせがむのだそうだ。 「顔を元通りにしたい。歩きたい。友達やきょうだいとまた遊べるようになりたい。きょうだいが恋しい」 ハナンさんの苦痛の叫びが、病室に響いた――戦争が始まってから8カ月、病院も損壊し、設備や人員が不足していることが、ハナンさんの状況を一層困難なものにしている。形成外科医のマフムード・マハニ医師は、ハナンさんが全身の35%に火傷を負っており、より高度な設備を備えた病院で緊急治療が必要だと話す。 ハナンさんは髪をとかしてほしいが、痛くてそれもできないという。食べるにも話すにも、傷の手当てをしてもらうにも、彼女の体に痛みが走り抜ける。 「私たちは、この子に何をしてあげらえるのだろうとずっと考えている。戦争が終わったらこの子はどんな風になるのだろう?娘は『ママ、私の顔を写真に撮って。自分の顔が見たい』と何度も求めてくる」(母親のワラさん) イスラエルが先月ガザ南部ラファまで攻撃範囲を拡大して以来、エジプトとの国境は閉鎖された。ガザの住民は、医療支援を受けるために外国に渡航することができなくなっている。