竹内涼真&河合優実、ドラマ『龍が如く』で目指した「嘘じゃない表現」 初共演も絶大な信頼感
河合の演技力に賛辞「些細なことを逃さない」
世界的人気ゲーム「龍が如く」シリーズを基にしたAmazon Originalドラマ『龍が如く ~Beyond the Game~』(全6話)が、10月25日よりPrime Videoで世界独占配信された。今回、同作で主人公・桐生一馬を演じる俳優の竹内涼真と、その幼なじみの澤村由美を演じる河合優実にインタビューし、互いの印象や本作の撮影秘話について話を聞いた。(取材・文=猪俣創平) 【写真】龍の巨大タトゥーにファン驚き 『龍が如く』出演の竹内涼真が披露したド派手な「漢の背中」 本作は株式会社セガの大ヒットゲーム「龍が如く」シリーズを基にオリジナル脚本で制作。竹内演じる“伝説の極道”桐生一馬の生きざまをド迫力かつエモーショナルに描くクライム・サスペンスアクションだ。監督はドラマシリーズ『全裸監督』などで知られる武正晴氏が務めた。 今作は桐生たちが極道の世界に身を置くきっかけとなる1995年と、その10年後の2005年の2つの時間軸を交差させながら描かれる。 「95年は若くて怖いもの知らずだからこその高揚する感情を表現し、2005年は10年間刑務所の中でその感情を心の奥にしまい込んでいたためにすごく不器用になってしまった一馬が10年の間に失われた感情を回収しようとしていくさまを表現していくことで、2つの時代のコントラストをつけました」と、竹内は2つの時代の桐生の違いや、演じ分ける際の意識について説明する。 そんな演じ分けが求められる本作では、唐沢寿明、加藤雅也、佐藤浩市ら重厚な布陣が揃う。竹内は、そんな中にあって女性キャラクターの由美役を演ずる河合について「男だらけの世界で、現場でも強くいなきゃいけなかったと思うし、強くいないと飲み込まれちゃう環境だったと思います」と語る。 河合本人も「強くいなきゃいけない気持ちもありましたし、ベテランの方々も多かったので、気を張っていたなと思いますね」とうなずき、「インする前にプレッシャーを抱いていましたけど、竹内さんにお会いして安心しましたし、そういう天性の周りを明るくほぐしてくださるような印象を最初から感じていました」と緊張もほぐれたと述懐する。 今作で初共演だった2人だが、竹内は河合との撮影で「これは河合さんが思っているか分からないけど、お芝居でのキャッチボールが勝手に共鳴し合っている感覚が僕はあったんですよね」と振り返り、「僕も意識しているんですけど、私生活で感じているようなすごく細かいニュアンスを大切にされている方なのかな」と印象を語る。 河合も「本番中に初めて本物のコミュニケーションを取るような状況で、ちゃんとキャッチボールができた感覚は私も確かにありました」と手応えがあったとして、「まず、ヤクザというジャンルが色濃くあって、しかもゲーム原案の実写化でストーリーの展開とセリフもパッケージとしては必要なんですよ。でも、その中でどうやってちゃんと人間らしく居られるか、そういうお芝居ができるかなっていうことをかなり考えてはいたんですけど、結構大きな課題でしたね。嘘じゃない表現になるようにするにはどうしたらいいのかは、結構第1目標でした」と演じる上での苦労もあったと明かす。 この言葉に竹内も「原作が強いので、全員そこを大事にしていたんだと思います。あえて言葉で説明するんじゃなくて」とスタッフも含めて同じ目標に向かって撮影に臨んでいたといい、 「でも、やっぱり河合さんがすごいのは、絶対に芝居の相手が発信したものやすごく些細なことを逃さないんですよ。だから、信頼してお芝居し合えるんです」と河合の俳優としての力量にも賛辞を贈った。 さらに、竹内は、桐生のライバルとなる兄弟分・錦山彰を演じる賀来賢人、桐生らと一緒に育つ幼なじみで錦山の妹・ミホを演じる中山ひなのにも触れ、「みなさん本当に素晴らしくて。自分にないものをみんな持っていたから楽しかったです。すごくラッキーなタイミングで、素晴らしいキャストやスタッフのみなさんに出会えたと思っています。作品を多くの人に届けたい、と宣伝素材についても賀来くんとも盛り上がったりしました」と振り返る。人気ゲームを実写化する難題に挑んだ本作は、2人にとって特別な作品になったようだ。 □竹内涼真(たけうち・りょうま)1993年4月26日、東京都出身。2013年に女性ファッション誌『mina』初の男性モデルオーディションでグランプリを獲得。14年にテレビ朝日系『仮面ライダードライブ』で主演を務める。その後、TBS系連続ドラマ『下町ロケット』(14年)、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』(17年)、ドラマ『君と世界が終わる日に』シリーズ(21~23年)、『劇場版 君と世界が終わる日にFINAL』(24年)などに出演。 □河合優実(かわい・ゆうみ)2000年12月19日、東京都出身。19年デビュー。21年に映画『サマーフィルムにのって』、『由宇子の天秤』での演技が高く評価され、第43回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞、第95回キネマ旬報ベスト・テン新人女優賞などを受賞。24年放送のTBS系連続ドラマ「不適切にもほどがある!』で注目を集める。同年、映画『あんのこと』『ルックバック』(声の出演)『ナミビアの砂漠』『八犬伝』も公開され、待機作に映画『敵』『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』などが控える。
猪俣創平