「前はこんなことなかった」 井戸の水位低下や水枯れ、リニア工事影響か 長野県内でも相次ぐ JRは否定も「岐阜の問題、人ごとでは…」 不安募る住民
豊丘村では調査対象でない場所で井戸枯れ
一方、同社が調査対象としておらず、掘削工事との因果関係は不明としている井戸の水枯れや、沢の水量減少を訴える住民もいる。
パイプで水を引いて対応しているが…
豊丘村の伊那山地トンネル戸中(とちゅう)・壬生沢(みぶさわ)工区の斜坑(作業用トンネル)周辺では22年、村や同社が複数の井戸が枯れたと確認した。現在も自宅の井戸が枯れたままという70代女性によると、自宅の池に水を引いていた近くの沢の水量も減少。現在は工事を担う共同企業体(JV)が別の場所からパイプで引いた水を入れている。ただ、「対策は工事の間だけと説明を受けている。工事が終わったらどうなるのか…」と漏らした。
水利用には影響与えていないーJR見解
JR東海の丹羽俊介社長は22日、都内で開いた記者会見で、長野県内のリニア工事に伴う環境調査に関連し、23年度以降、関係地域の住民の水利用そのものに影響を与えるような事象は「現時点で発生していないと報告を受けている」とした。工事が水利用に影響するおそれがある場合には「生活に支障をきたさぬよう応急措置を実施して因果関係を調査し、確認した上で、必要な場合には恒久対策を実施していく手順を定めている」と述べた。